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報復のチャンスがあれば無駄にしない

相撲にもスポーツにも興味はないが、
これだけ連日報道されていると、嫌でも耳に入る。
少しずつ、事件の様相が明らかになっているのか、

今日はここだ→ 八角理事長、鈴木長官に謝罪=日馬富士暴力問題でスポーツ庁訪問

相撲に興味のない私の理解だと、
   ・相撲力士が飲み屋で、力士同士の暴力事件を起こし、被害者貴ノ岩関側の貴乃花親方が警察に通報。
   ・相撲協会は、理事会への報告義務を怠って警察へ連絡した「貴ノ岩関&貴乃花親方、許せん」。 
と、なっているような。また、マスコミは、
   ・スポーツ選手の癖に我らマスコミの取材に答えないなんて、被害者だろうとけしからん。
と、いっせいにワードショーなどを通じて、怒りを表明しているような。
コメンテータも番組に合わせて、伝統だの文化だの口に出しつつ、親方けしからんコメントをしているような。


脳筋バカ」、「世間知らず」、「頭おかしいのか?」  とは思っていても言わないけど、
巨大組織に、被害者側を黙らせてトラブルを抑えるテクニックが存在するのは知っている。
面倒ごとを作っているのは、被害者というわけだ。
巨大組織の上層部が、自分たちの都合や、世間とずれた独自の考え方で、
組織全体をコントロールしたがっているのも、ありがちだ。


ふと、似たようなパターンを思い出す。

セクシャルハラスメントが表ざたになるのは、被害者が声をあげた時だ。
「騒いでいる被害者は組織にとって面倒な人間だが、加害者は組織に害をなしていない」、と考える。
私は公務員だったのだが、はっきりとその論理を言い渡された事があった。

就職した頃、(男尊女卑はその場で気づかなければそれまでだが)、
何かというと肩に手を置かれたり、抱きつかれるのは気持ちが悪くて嫌だった。
でも、飲み会で、歌舞伎町の酔っ払いをあしらう様なまねはできないと考え、
翌日、(その場で見ているだけだった)上司に、「やめるように指導してくれ」 と、頼んだのに、
まさに 「自分は気づかなかった、それよりトラブルを起こすな、黙っててくれ」 と。   「はあ? 

飲み会は無礼講だって言うんだな、そっちがその気なら―――と、対処を変えた。
嫌ならその場で叩きのめす、場の雰囲気が悪くなるのを気にせず反撃する、泥酔したふりをして大騒ぎをする
「こんなことされたら、結婚できなぁい」、と号泣してみせる、肘鉄を食らわす。
ある事ない事――飲み会で無理に肩を抱きよせられたら、翌日「胸を揉まれたと」と女子事務員に言いふらす。
歌舞伎町の飲み屋と違って、バックにやくざなどいない。 言ったもん勝ちである。

  「酔ってて何をするかわからないと思ったから、電車の痴漢なんかよりずっと怖かったですぅ」
  「あの人たち、何をしたか、覚えてないんでしょ? え? 覚えてるんですか?」

「あの女をどうにかしてくれ」、と、上司に泣きついたのは、セクハラ加害者側だった。

  「え~ アルコールの席のことだし、そんなトラブルあったかなあ。 細かい事覚えてないんで」
  「セクハラ? 誰が私が言いふらしてると言ってるんですか?」

セクハラをなかった事にしたい老若男女公務員が、
「あの人が言いふらしてた」 という証言なんてしないよナ、けけけけけっ


若い女が少ない職場の悲しさで、その後も何度も飲み会には誘われたが、
新宿の飲み屋で隣に座ったサラリーマンを撃退する程度には、蹴散らせるようになった。 ←同僚を蹴るな
でも、まあ、一番腹立たしかったのは、加害者本人じゃなくて、
もみ消そうとしたトラブル担当部署や、上司だったんだが―――
そっちも15年後くらいに報復のチャンスが来た。

元上司を役職付で組織に残るか、普通に定年退職していただくか、と話になった時、
人事からのオフレコの問い合わせにポジティブな回答をせず、
あえて 「言いにくい事なので」 と言葉を濁してみた。

古いことを告げ口したわけじゃない。悪口すら言っていない。(でも、彼らが想像するのは勝手だ)

人事が想像するところが多々あったのか、
それとも他の人へのオフレコ相談の回答も似たり寄ったりだったのか、
件の元上司は、定年であっさり辞めていかれた。
研究者・コーディネーターとしてはすばらしい才能の持ち主だったから、もったいなかったのだが、
ご都合主義や事なかれ主義は、彼の作った報告書などにも出ていたのかもしれない。
個人の恨みは意外に根深いのだな、と、想像した。 
     (男女問わず、その事なかれ主義上司に泣かされた職員は多かったと思う)

          もちろん、被害者に冷たく、加害者を守りがちな組織なら、自分が加害者になっちまおう、
          という私の考え方は極端だし、
          結果がどうであれ(最終的にパワハラやセクハラが消える事になったとしても)、
          職場環境を良くしていこうという、殊勝な考え方からは大きく逸脱している。
   
          わかってはいるが、明日の職場よりも、今日の自分……だったんだよ、当時は。



なお、何度か書いた事があると思うが、上司がしらばっくれる横で、
「それはおかしい」、「さんはもう飲めないから、代わりに俺が飲みます」 と、かばってくれた人がいた。
素面のそいつは規則重視で官僚風を吹かせる嫌な奴だが、酔うと正義の人間性が露呈する(笑)
この間、
  「厳しいからあれこれ言われる事あるけど、彼は暖かくってフェアな人ですよ、すごく部下思いですよ」
と、力説している若い研究者がいた。
うん、わかるよ  
それに科学にはすべての事象にフェアである事が必要とされる。 
だから、あの人は出世して当然なんだ。



規則重視や古い体質の組織の中でも、個々の人間性はちゃんと見え隠れするものだ、と、思う。
スポーツ業界は知らないないし、マスコミのフィルター報道では、何が真実かわからない。
でも、古い体質の中でも、ゆがんだ組織の中でも、
人は、苛められた事、理不尽な扱いを受けた事、助けられた事をちゃんと覚えているものだ。
伝統や文化という名の下であっても、ご都合主義はいつか崩壊する。

矛盾に満ち、コントロールされたように一方的な報道を見つつ、そんな事を思う。