ブログ引越し検討中 (仮住まい)

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どちらの気持ちもわかるんだが

の場合
フルタイムの仕事をしている。
学生(大学院生)を預かっていて、部下が複数いて、学会や国の仕事を手伝っている。
家族がいて、子供が二人いて、長距離通勤をしている。


の場合
仮に、教授としておこう。 大学の女性教授で、何かと私を引き上げてくれる方がいる。
昨日の同行者の女性からも、「さんはとても優しい方」、と聞いた。 
5歳くらい上なんだろうか?
結婚はなさっているようだが、別居していて、子供はいない。
帝大系の国立大学を、「この大学は男女差別がひどい!」 と、いくつも転職している。
今、国立大学は女性教員を増やそうとしているから、
それなりの成果があって場所にこだわらない教授は、次の職場探しに苦労しない。


の場合
我が家には長年ベビーシッターがいた。 
年間経費は保育園&シッター合わせて200‐300万円になったが、ダブルインカムなら支払えないことはない。
海外での一人暮らしが長かった夫は、家事をすることを厭わない。
そんな家族環境だから、私が仕事時間を確保するのは難しくなかった。
普通に成果をあげ、普通に学生の教育をし、普通に昇格してきた。


仕事での昇格は、適性や成果、実績をきちんと判断した上で、その上位者から昇格していくべきだと思う。
地元の名士の子供だからといって、成果が劣っている助教を引き上げるべきではないし、
何年も産休や子育て、あるいは病気による欠勤で勤務時間が短かったら、昇格が遅れても仕方はない。

親や家族のサポートや、あるいはシッターや公的補助か、どんな形で仕事時間を編み出してもいいが、
コネや国籍、性別などで、左右されるべきではなく、
勤務時間が短く成果のない者や、適性や実績の不十分な者が昇格していくべきではない。
だから、同じような働き方をし、同等以上の成果を挙げているのに、
男女差別で評価を低くされ、怒りに震える教授の気持ちはよくわかる。



その一方で、働きながらの子育ての大変さは、実感している。
保育園や学校の面談、イベントは必ずあるし、PTAもあるし、
子供と接する(寝かしつけたり、絵本を読んだり、一緒に遊びに行ったり)時間も確保したい。
シッターは子供の面倒は見られても、急病の際に病院に連れて行くことは難しい。
(できないことはないが、学校側からも、病院側からも望ましくないと判断される。また、私もそう思う)
大事な会議中に保育園から電話が入り、夫やシッターの手配に電話を掛けまくったことは、1度や2度じゃない。
だから今、大変な思いをしている、後輩の男性研究員、女性研究員を見れば、助けてあげたい、と、思う。
子育てで苦労している研究者や若手教員の苦労は、痛いほどわかる。


教授とは、同じ学術団体に所属している。
先日、来年の役員候補者の審議のとき、は仕事の継続性を考慮して任期延長とされたが、
教授は任期がまだ1年残っているにもかかわらず、人数調整のため途中退任を打診された。

役員は約20人で我々以外は男性だから、もしもがいなかったら は「男女差別!」 と叫んだことだろう。
が、その席では、「男女比率がおかしい、さん一人じゃなく複数の女性を採用すべきだ」 と言いだした。
でも、仕事内容として、今交代しちゃ困る人が残されてるんだけども……どーするよ?
役員を続けたいんだろうなあ、というのはみんなわかったから、気まずい雰囲気で役員会は終わった。
内緒みたいに、誰か女性を推薦してくれ、って言うメールが届いたけど、
今の仕事内容だと教授に適した担当部門はないし、
担当を変えられる部門となると、女性の新人さんを探すしかないかな、と、候補者は伝えたのだが。

で、本日連絡があったのは、男女共同参画とか、ダイバーシティとかを担当する部署を“新たに作り”、教授を担当理事に。
・・・・・・・・・
だって、さ。 教授、ダイバーシティ系(多様性促進、男女共同参画の推進など)団体から、
すごく嫌われてハジかれてて、日本のダイバーシティ活動の状況知らないじゃん。

①昔々の男女共同参画活動は、独身ですべてを研究にささげている女性研究者が、
男性研究者と同じような仕事の仕方で、男性研究者以上に成果も挙げているのに、
差別意識によって昇格できないケースを、どうにか引き上げなければならない――が課題だった。

②その後、とにかく意思決定の議論の場に女性を連れてこなければ詳細がわからない、ということになった。

③現在は、女性活躍推進などの政治的な追い風が吹いているため、
性別的役割分担により子育てや介護の負担を負わせられやすい女性たちに、
どうやったら、男性と同じような仕事をしてもらえる環境を作れるか、という議論がされている。

教授は、①の男女差別のときに苦労しすぎて、
②で女性を意思決定の場に連れてこようとした時に、「成果のない人はダメ!」 と騒ぎすぎた。
女性に厳しい女性、女性の足を引っ張る人と定評がつき、苦労している女性たちに嫌われてしまった。
教授側も、余計な仕事(ダイバーシティ活動)をさせられるなんて(仕事時間が減るから)真っ平、となった。

なので、日本のダイバーシティ活動が③の段階に移ったことも理解できず(←知るチャンスがない)、
育児支援だの研究サポートだのを、女性に甘すぎ! と、解釈している。
そんな教授が 「ダイバーシティ委員会」――― いろんなところから叩かれそうだ。
彼女が最も嫌う、“女性”を利用して、役職(男女共同参画の名目)を貰った、と解釈されるんだろうな。

で、足引っ張られて思うように仕事できなくて、
に「あなた味方多いんだからどうにかしてよっ」となるんだろうな。
その味方たちに、ダイバーシティ関連の仕事はよりのほうが適任、て判断されたらどうするよ orz


気持ちはわかる。でも、やり方がすっごく下手。


そういえば、議会の席に赤ちゃん連れて行ってバッシングされてたどこぞの熊本市議は、
やり方が下手な典型だ。

私が調整役だったら、議長と市長に、事前連絡して、
・他国では赤ちゃん連れで、議会に出る例が複数あること
・自分の子供はおとなしく、トラブルが起きる可能性は極めて低いこと、
・トラブルが起きそうになったら、すぐに退席させられる措置を講じていること
・議会開始に、同党の議員に、問題行動ではないかと意見させ、それを議長が納める形で承認してほしいこと
を手配し、
・マスコミが騒いだら、当議会は女性対応が十分で、他国の事例を調べてそれに沿っていること、
・トラブルが起きたときの対策も、きちんと準備しておくことが条件であること、
を、きっちりアピールするチャンスですよっ♪  
というストーリーにするんだけどな。

いや、議長も市議の周りの議員も、そのくらい考えられる人はたくさんいたと思うのに、
それまで意見の通らないことが多くて、ネガティブになって、あんな行動に出ちゃったのかもしれないな。
総論としては賛成を得られるのに、各論のところでやり方が悪かったりやりすぎて、反対にあってる――
もったいないんだよな~


そうはいうものの、こういった社会問題は、よほど気をつけていないと自分の回りにしか目が行かず、
自分の回りだけのデータにより判断しがちだ。

たとえば、世の中で 「派遣切り」 の話題が出ていても、リアルには実感がない。
私の周りでは派遣社員というのは専門知識を持っている人で、通常の社員よりも高額取りになる。
弁護士、弁理士、医者、社労士、プログラマー、カメラマン、放射線技師、
―――士業や専門職で、大門未知子も真っ青な、腕に自身のある人ばかりだ。
ブログなどで話を読むと、立場が弱く苦労している派遣社員が多いこともわかるので、
固定観念は危ない、と、気をつけよう、と思う。 

一方、派遣社員で苦労している人側にも、固定観念があるように思う。
専門のある人は別、医療系は別、士業系は別、そういう大手の派遣会社は別、環境のいい職場は別、
場合分けが多く、それでも、自分が主流だと考えている――――


教授も言うんだよな…… 
さんは別、さんみたいな職場は別。さんの所も別。私立大学は別。東京周辺の職場は別。
あんまり例外が多い事柄は、
一般論にしないほうがいいと思うんだけどなあ~ 
それさえなければ、どんな仕事でもやっていける方だと思うので、

私の仕事を増やさないでください。