ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

やばい感じの何か

妖気というのか、瘴気というのか、あるいは単純に殺気と呼べばいいのか。

熱っぽくて喉も痛いので、早い時間に職場を後にした。
いつもよりも混み合った上り線のホームで、それは、突然、きた。

自慢じゃないが、霊感はおろか、好意も邪念も殺気にも鈍いほうだ、
だけど強烈な違和感と寒気を覚えて、振り返った。

えんじ色のジャケットとベージュかグレイのパンツ、身長145cm前後、背中の曲がったお婆さんだった。
足元の何かを、ただし何もないところから何かを拾おうとしているようで、どことなく動きがおかしい―――
その人が、ぴたりと私の背中にくっついてきた。 わざとぶつかろうとしているようにしか見えない。
そして、私はホームの端に立っていて、少しでも押されたら線路に落ちる状況。

なんだよこいつっ と、飛びのくように、線路から離れた。
ヤバい奴が来た、と思ったのは私だけではないらしく、何人かがささっとホームの奥に下がる。

婆さんは、ホームの端にいた別の中年男性の後ろに行く、
30くらいの男性があわてて近づく (←この時点で私はこの人が何をしようとしたのか不明)、
婆さんはまた、足元の何かを拾おうとする、よろける、ぶつかる、
だがその前に 「危ないっ」 と、さっきの男性が声をかけ、ホーム端の中年男性を振り返らせていた。

何も気づいていなかったらしい中年男性は、「おおっと、なんか落としましたか」 と、
ぶつかってきた婆さんのほうに声をかけた。

婆さんはムニャムニャと何かを言い、また、その場を離れた。


何なんだ、何なんだ、何なんだ、、、あの婆さんは。

病んでるのか? どこかおかしいのか?
それとも一時の気の迷いでいたずらをしているつもりなのか。

足元の何かを掬おうとするように、前かがみになって、カギヅメの形の手で床の付近をさらう。
中腰でそんなことをしているから、よろよろと周りの人にぶつかる。
気づかれると他の人の後ろにいって、また、ぶつかる。 

本気で何かを拾おうとしているとも思えないし、
わざわざホームの端辺りにいる人のそばにいってはそれをやるのは、
明らかに誰でもいいから突き落とそうとしてるとしか見えない。
しかも誤魔化してぶつかるっていう、悪質なやりかたしてるようにしか思えない。


何だこいつは…… 少なくとも10人以上の目が、老女の姿を追っていたから、
みんなその不自然さに気づいたんだと思う。


ホームには監視カメラもあったと思うが、
そばにいた女性が、スマホでパシャと、撮影するのが見えた。



ホームが緊張感に包まれる中、上り電車が入ってきて、我々は電車に乗り込んでしまった。

危険人物として駅員に突き出すべきだったのかもしれないが―― 
見過ごしてよかったのか、気になるばかりだ。
婆さんはそのうち誰かを突き飛ばし、事故を起こすんだろうか。





えもいわれぬ気持ちの悪さを抱え、自宅の駅に着いたのだが、
ちょうど犬のお散歩タイムだったようで、日本犬が来て、厄落としをしてくれた。

日本犬の黄色い色と、キリッとした表情は、厄をはじき飛ばす気がするんだ。
飼い主に頼んで少しモフらせてもらって、不快感は霧散した。
イメージ 2

ただ……今日一日は、電車の事故がないか気になるな。