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男女共同参画の会議に行ってきたよ

どこにいれればいいのかな。
仕事として行ってきたので、書庫は仕事だけど、自然科学でもないんだよな。

私は海外の小学校で、開校以来という珍しい日本人だったから、区別されていた。
私は日本の田舎の小学校で、開校以来の初めての帰国子女だったから、差別されていじめにあっていた。
大学の物理学科では少数派の女子学生だったので、まあ、気を使われていたかな。
同期のほとんどが東大卒の中、ほとんどいない私学の出身だったから、やたらと注目された。

研究職の女というので、当然珍しかったのかもしれないけど、
私学だから珍しいのか、服装が派手だから珍しいのか、単に性格の問題なのかわからなかったので、
差別やいらがらせは、私個人への攻撃とみなして、
攻撃者個人を蹴り返していた。

女だから差別 されたのかもしれない、と思ったのは、かなり後のことになる。



そんな私も学会の役員になると、男女共同参画の会議などに参加させられるようになった。
その手の補助金(研究資金ではなく、大学や研究所のシステム構築のための補助金)も貰った。
その関連で男女共同参画関係会議に、喋る側として引っ張り出されるようになった。

昨日行ってきたのは、第16回男女共同参画学協会連絡会シンポジウムというもので、
日本国内の理学・工学系学会の横方向の連携団体で組織されている。
ちなみに、私の所属する日本物理学会は、発足時の12団体のひとつで、
来年度は幹事学会(二度目!)として、100団体ほどに膨れ上がった学協会を束ねることになる。

そういうわけで、昨日の会議だ。
以前、Unconscious bias test の記事を書いたが、Unconscious bias(無意識の差別)の報告があった。
学問としての、人間の意識のあり方の講演は、なかなかに面白い。
他にも、産休や育児休業を取得する男性(女性よりもずっと風当たりが強そうだ)の講演や、
政府関係者の支援活動の講演だの、それなりに聞き応えのあるものが多かった。

また、2002年の発足当時は
男女共同参画といいながら、女側が差別をしている男社会に文句というという構図だったのだが、
現在は、家族責任のある男女(夫婦)が、職場や社会に対して要求していく、という発表になっていた。
悪くはない、と思う。

発表者の一人が、イラストが上手で、こんな風なイメージ図を作っていた。
マミートラックというのは、子持ちの女性社員が、同じトラックを回るように出世していけないという意味だ。

イメージ 1

私は個人的にこういう状況に陥らなかったし、
金銭的にも苦労はしなかった(ベビーシッター料金は株で稼いだ)ので、
これらの苦労を聞いてはいても、実感として持っていないのだが、
今現在苦境に立っている人、フランスや他国で研究をしてきた人たちには、
日本のこの状況は悩ましく、愚かしいものなのだろう。



男女共同参画関連で、国際的な会議もある。
何年か前には、Gender Summit というものに参加した。
こちらで問題にしている話題のほうが、私自身にも、私の職場にも適合している気がする。
前にオス鼠ばかりの動物実験の話題として書いたかな。

さて、とある方から、お嬢さんの研究室選びの話題を伺った。
研究で使う薬品、化学物質が来年度から毒物・劇物に指定される。、
将来妊娠出産する「女性」には悪影響を与える恐れがある
(本人には影響はなく将来妊娠した時、胎児に影響が出る)ということらしく、
希望していた研究室に入れなくなった ―――というものだ。

ああ……と、思う。 身の回りでも同じような苦労は聞いている。
それまで使用していた薬品が毒物指定になってしまい、
代替薬品を使わなくてはならないから、研究が立ち行かなくなった、
使用設備(ドラフトやガスマスク、スプリンクラー、陽圧室など)を作るには費用がかさむから、
製造法を変えざるを得ない。
時には、ライバル社が使用している薬品を毒物指定にして、シェアを奪い取る、という話もある。
ライバル社はあわてて、毒物指定になった国から、他国に工場を移転させる、なんて話だ。

大掛かりにはそういう話題なのだが、こと、男女に注目してみると、
毒物や劇物の人体・女性・胎児に対する影響の有無は、年々データがつみあがり、
指定毒物が増えるのは事実出し、当然だと思う。
でも、そのせいで、男子学生に比べて女子学生が選べる研究室の数が減るのは、問題があると思う。

穿った見方をすれば、男性にとっても有害物質であれば、使用禁止する、代替薬品を探す、
使用する場合の環境の指定や、防護措置などの法律を準備する、となるのに、
現場の人数の少ない女性に対してのみ有害となるものだから、「女性は禁止ね」ですませてしまう。
逆に男性にのみ有害だという薬品があっても、じゃあ女性に従事させて、という風にはならないと思うが。
「女性にだって危険があるかもしれないじゃないか、そんなことはさせられない」
「危険物に、女の人だけ晒させるなんて!」 という程度には、世界の男性は女性を守ろうとすると思う。

このあたりは、日本特有の課題ではないらしいので、
Gender Summitあたりで出てくるのではないかと思う。


昨日の会議で、薬学系の先生にこの話を振ってみた。

この分野の有名教授である彼女は、
本来なら、女子学生も毒物を使える環境を、学校側が整備すべきであること、
でも将来を考えたら、本人の意思でその分野に行かない選択をする方が良いのかもしれない。
それから、使用環境を整備するのにはお金がかかるから、小さな大学だと対応できないかも。
法律の時点で、男女の区別(差別)があるのは、
きちんと中身を調べていかなければいけないかもしれない―――と、言った。

人間を守るための薬物の指定や法律なのだから、
決める前にもう少しきちんと見極めて欲しいんだよね…… 
   (法律家と有識者・専門家のバランスが、あまり良くないと聞いたことはある)
   (大学によってはお金がない――は、まあ、難しい問題かな)