10年ぶりくらいの渋谷

普段の渋谷は、なんでもない普通の街だ。若者率が多いわけですらない。

昨日から喋り倒しているお抹茶坊主と、渋谷に買い物に行ってきた。

いや、渋谷である必然性はまったくなくて、

昨日の昼間に渋谷で見かけたアディダスのパーカーが気に入ってしまい、

パーカーの他にも冬物の長袖の服や、靴や、その手のものをいろいろ購入したくて、母親を誘ったらしい。

150センチから今の165までの成長が速くて、

特に彼は腕が長いので、160の服では小さくなってしまったのだ。

アディダスショップを探したら、北千住にも上野にもあったから、

北千住＞＞上野＞＞御徒町＞＞渋谷、と、探して回ろうということになった。

結局、渋谷までなかったので、ほかの二駅はたいした滞在時間でもなかったが。

上野マルイのアディダスショップにいたっては、11月の終わりにニトリに変わったようで、

エスカレーターを上っている途中で気づいて、

ショックのあまりアメ横を通って、ＧＵに浮気（？）をした。

ＧＵでは長袖のインナー各種と、黒のパーカー（←アディダスで買うんじゃなかったのか？　

「いや、替え用のも欲しいし」 ）と、長袖のトレーナーっぽいやつと、

ついでにそれらを入れるバッグパックも購入（←想定外）して、合計6点でも約1万円。　さすがＧＵ。

それから渋谷に移動し、目的のショップに行く。

渋谷で降りるのは10年ぶりくらいな気がする。私は用がないのだ、この街には。

ただ、なるほど、ここのアディダスショップは、品数がほかのところの数倍はあるようだ。

目的の商品はマネキンが着て飾られていて（これを見たのだな、前日に）、

Ｌサイズにしようか、Ｏサイズ(一般的に言うＸＬ)にしようか悩みつつ、Ｌを購入。　1万円弱。

それからナイキのスニーカー(6000円)、ついでに交通費がなかったのでＳＵＩＣＡに5000円チャージ。

合計３万円……ただ、購入点数を考えると、中学生男子のものは単価が安いな、と思う。

さて、抹茶坊主に選ばせると、すべてがグレイか黒になるのだが（写っていないバッグパックもグレイ）、

かつての剣士のように黒色の質（剣道の袴には、色々な黒があるのだそうだ）にはこだわらないので、

買ってきたものを並べたら、いろんな黒が混在していた。

「この色は、墨汁の匂いがする」　と、話したのは、右手のビニールに入ったインナー２枚だ。

墨汁で染めたはずはないのに、（喋りの勢いかもしれないが）妙に文学的だ。

彼も並べてみて初めて、いろんな黒に気づいた様子なので、少し説明をする。

ちなみに、彼が墨汁のにおい、といった色は、絵の具の黒にわずかに赤を入れると作れる。

墨の色ではなく一般的には漆黒と言う黒だ。墨汁だったら、硯で墨を摺って足すと、この色に近くなるかな。

烏の濡れ羽色、といわれる濡羽色なら、墨色に黄色と青をちょっとずつ入れる。

青を多めに入れた黒もあったな、と思って検索したら、檳榔子黒（びんろうじぐろ）と言うものだった。

違う名前だった気がするんだけどなあ。

ほかは漆（うるし）の黒の呂色とか、ツルバミ色とか。

彼は途中から興味がなくなったようだ。

漫画は好きだけど、美術より音楽なんだよね、君は。