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東野圭吾のドラマ『手紙』を観た

夕べ、東野圭吾のドラマをやってた。

東野圭吾は人間を書かせるより、ちょっとコミカルな推理物のほうが面白いかと思っていたのだが、
一時期から求められるものが変わったのか、作者自身の心境の変化なのか、
ヒューマンドラマみたいなものも書き始めた。
ところが彼は人間を心理を掘り進めると「???」 なキャラクターばかりになり、
ステロタイプなのに、変人過ぎる、という、気の毒な小説に陥ってしまっていたのではないかと思う。

「手紙」が直木賞候補になったときは、この人の小説は面白いし
犯罪者の家族というネタは直木賞審査員が好みそうだけど、まあ、「ないな」と、思っていた。
他の作品「容疑者Xの献身」で直木賞をとった後も、
やっぱりヒューマンものは薄っぺらくて、それこそ2時間ドラマネタばかりなんだよな、と、思っていた。

ちょっと変わったのは、「ナミヤ雑貨店の奇跡」を読んだときかな。
変わったわけではなくて、設定や主人公の世代や軽さ・重さが彼の小説にあっていたのだと思う。

最近でも、女が出てくると相変わらずダメ、でも、若者のじたばた感とか、(もともと得意な)マニアック感とかは、
きれいにわかりやすく描き出されるようになっていた。
容疑者Xも、数学オタクの変人だから、ちょうど良い感じで読めたんだと思う(それでもX以外が不満だが)。
「手紙」が小説として他の彼のヒューマン作品より上なのは、
主人公を外から見た形で、余計な心理だの心境だのを(地文として)書かずに、
外向きの文章でしかない“手紙”としていたからだろう。

……と、小説のレビューみたいになっちゃった。


ドラマの話に戻る。テレビ東京だったみたいだ。

偶然見かけたそれは、映画でウシジマくん(←闇金の映画で主人公の牛島を演じた人)がやった役を、
穏やかそうな顔立ちの役者が演じていて、大丈夫なのかなあ、と、思ったりした。
ウシジマくん(そうだ、山田孝之だ)は、どんな役をやっていても、“その場以外での表情”を予測できる顔だから、
普段大人しくてきちんとしていても、犯罪者の家族だと知ったときに奥の怖さを想像できて、
周囲の人たちが避けて逃げてしまうのも、「まあ、そうだろうな」と思わせる説得力があった。

夕べの役者さん(亀梨和也だそうだ)は、根っから真面目でいい人そうに演じていて、
不幸な目にあうのが気の毒なだけになってしまった(彼を周囲の人に同調できない)。

それでも、前半のほうが良かったかな。
後半になると実際の姿や雰囲気と、役柄のしぐさや行動がずれてきて、演じてる感が強くなる…… 
いや、ウシジマくんは後半のほうが良かったので、どうしても映画と比較してしまうとね。

原作に忠実に作られていて、その辺は良かったです。
原作つきなのに、で、原作を読んでいたのに途中で観るのをやめなかったのだから、
悪くはなかったのだと思います。

  **ところで、原作時点で気になったのだけど、親族って刑務所の慰問にいけるんだっけ? と、
  **また思ってしまった----



……アップロードしてなかった。
下書き保管もしてなかった。
何で寝落ちしたんだろう。

というわけで、ちょっとだけ文言(観ている>夕べ観た)を変えてアップ。
朝っぱらにドラマ評を書く余裕はないです。