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映画鑑賞録 『ぼくの大切なともだち』

ヒースローから 羽田に向かう3作目 『Mon Meilleur Ami』


 君にとって 僕はたくさんいるキツネの一匹 
       でも互いに馴染めば 大切な存在となる
    君は僕のたった一人の人 
         僕は君の たった一匹のキツネ


絶対に、絶対に日本公開はされないと思ったのに(日本人ウケはしないと思ったのに)、
日本語サイトがあったことに衝撃を受けた(大笑)

         http://www.wisepolicy.com/mon_meilleur_ami/

ちなみに、ここのナレーションで言っているような内容ではない。
良い意味でさっぱりしてるし、むしろ、ブラックにお洒落。


商売敵たちに、
      「お前の葬式にはだれも来やしない、お前以外はな」 そんな風に言われて、
実の娘には
      「あなたには親友と呼べる人がいるの?」と言われて、

冷酷無比で他人の心など思いやったこともないはずの
やり手の古美術商、フランソワが、自分の親友と呼べる人を探す話。
その時点で、フランソワの行動には (日本人の視点からすると) 無理があるのだが、
まあ、それは置いておいておくにしても、

友達作りに精を出して、友情に気付く、なんていうストーリーを思い浮かべがちなのに、
さすがフランス映画というか、そういうもんではない。

とにかく、フランソワの悪意のない嫌な奴ぶりが、溜息とともに笑えるのだ。

まず、友人がいないだろうと言われて、友人リストを作る。
なにしろ、自分には友達がいっぱいいると思ってる。
少年時代の知り合いに、恩着せがましく接触して、拒絶される。
今月中に親友を紹介する、しないの賭けごとに出る(これは娘のせいだが)。

親友ならば、相手のために身の危険も顧みず.... というのを証明するために、
せっかく仲良く付き合ってくれていたタクシー運転手を、嘘をついて罠にはめる。
徹底して他人の心がわからない (というか、思いやろうとする気持ちに欠けている)。

フランソワはわからないのであって、悪意があるわけではないのが、皮肉なのだ。
まわりの人々のためいきに、同調する。

一方、ブリュノは純真を絵にかいたような、クイズオタクのタクシー運転手だ。
誰とも社交的に接し、フランソワのことも親身になって考えてやれる“いい青年”である。

フランソワはブリュノに見捨てられるのだが、その後はっきりフランソワが改心するシーンがないのも、
二人の目に見える和解シーンがないのも、お洒落だなあ、と、思う。

話を通じて何度も出てきた壷が、ちょいとした仕掛けにかかわるのも、実にお洒落なのだ。

ちなみに、クライマックスで出てくるクイズ番組は、クイズミリオネアのそのまんまである。


..........疑問が一つ。

ビジネスパートナーであり同性愛好者のキャサリンとフランソワは
英語吹き替えを聞いている限り、親子 (娘と父親) だったのだが
日本語のレビューを見ると、「彼らはただのパートナー」だったり、 
「最後に(恋人同士になっていく様な) いい雰囲気」、みたいな解釈が書いてあるのだが、
親子だというのは、私の聞き違いなのだろうか?

親子と思って観ていて、全然違和感なかったんだけどな~