白いカーネーション
恩師の告別式に行ってきました。
写真はこのページから頂きました。
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/iis_chronicle/main/main_html/more_info_html/more_info_05.html
何も分からない物理学科の学部学生だった私たちに、とても面倒見の良い先生だったけれど、
私は先生が優しいだけではなく、厳しい方だったことも知ってます。
私は先生が優しいだけではなく、厳しい方だったことも知ってます。
たとえば私は、大学の学部の時と大学院とで所属する研究室が変わったのですが、
大学院を受験し合格するまで、
私の受験した研究室の教授が、自分の教え子だったということは、教えてくれませんでした。
(だから、私は先生の弟子で、ついでに、孫弟子でもあるということになります)
大学院を受験し合格するまで、
私の受験した研究室の教授が、自分の教え子だったということは、教えてくれませんでした。
(だから、私は先生の弟子で、ついでに、孫弟子でもあるということになります)
自分の恩師がつけてきた推薦書では、院の先生方も審査しにくかったでしょうし、
私の緊張感も薄れてしまったでしょう。
だから黙ってらしたのだと思います。
私の緊張感も薄れてしまったでしょう。
だから黙ってらしたのだと思います。
就職の時もそうです。
私がどの研究所を受けたのか知っていて、何もおっしゃいませんでした。
就職してしばらくしてから、上司に言われました。「君は富永先生の弟子だったのか!?」
なんでも、学会だか委員会の席で 「君んとこにうちの卒業生が行ってるから、よろしく」 と、
いきなり挨拶されたのだそうです。
この分野では神様のような教授でしたから、上司はとても驚いたそうです。
私がどの研究所を受けたのか知っていて、何もおっしゃいませんでした。
就職してしばらくしてから、上司に言われました。「君は富永先生の弟子だったのか!?」
なんでも、学会だか委員会の席で 「君んとこにうちの卒業生が行ってるから、よろしく」 と、
いきなり挨拶されたのだそうです。
この分野では神様のような教授でしたから、上司はとても驚いたそうです。
入試の時も、就職試験の時も、知らん顔なさっていて、
でも、実力でポジションをとれば、祝福して、後押ししてくれる。
でも、実力でポジションをとれば、祝福して、後押ししてくれる。
不要なコネは使うなよ ………いつも、そういうことだったのだと思います。
お葬式を無宗教カラーになさりたいということで、昨日のお通夜も今日も、読経やご焼香はありません。
花の香りがするだけで、お線香の匂いもしません。
花も、菊ではなく、真っ白のカーネーション、百合、薄紫のトルコキキョウ、
それから淡い黄色と、明るいピンクのスイトピー。
先生の教えを受けたかつての学生が、順にエピソードを披露し、式場から笑いさえ上がるお葬式でした。
告別式などを新聞に掲示しなかったにもかかわらず、
式場に入りきれなかった人たちが、長い列を作って、順に先生にお別れをしなければならないくらいでした。
花の香りがするだけで、お線香の匂いもしません。
花も、菊ではなく、真っ白のカーネーション、百合、薄紫のトルコキキョウ、
それから淡い黄色と、明るいピンクのスイトピー。
先生の教えを受けたかつての学生が、順にエピソードを披露し、式場から笑いさえ上がるお葬式でした。
告別式などを新聞に掲示しなかったにもかかわらず、
式場に入りきれなかった人たちが、長い列を作って、順に先生にお別れをしなければならないくらいでした。
私は富永先生のおかげで、他の大学や研究所の有名な先生方と、知り合いになることができました。
同じ先生のご教授を受けたことで、兄弟弟子のような扱いをしていただけることもありました。
性別や、出身校や、そういったマイナス要因がたくさんあるにもかかわらず
私が不当に扱われなかった理由には、先生の七光があったかもしれないと思います。
同じ先生のご教授を受けたことで、兄弟弟子のような扱いをしていただけることもありました。
性別や、出身校や、そういったマイナス要因がたくさんあるにもかかわらず
私が不当に扱われなかった理由には、先生の七光があったかもしれないと思います。
豪放磊落で、でも、とても神経が細やか。
身内への愛情が強くて、でも、不正はしない。
バランスをとっていくのは、いつも難しいと思います。
これからも、研究室の閥や、コネを、すべて消せるとは思いません。
それに私だって、自分の学生は、やっぱり応援したいと思います。
年々、知り合いが増えると、つい、過剰な口利きをしてやりたくなってしまったりもします。
身内への愛情が強くて、でも、不正はしない。
バランスをとっていくのは、いつも難しいと思います。
これからも、研究室の閥や、コネを、すべて消せるとは思いません。
それに私だって、自分の学生は、やっぱり応援したいと思います。
年々、知り合いが増えると、つい、過剰な口利きをしてやりたくなってしまったりもします。
ご焼香の代わりに白いカーネーションを一輪づつ
献花しました。
先生の教えを、どれだけ
守っていけるかわかりませんが、
先生に叱られないよう、
バランスを取りながら
これからの研究生活を続けていきたいと思います。