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読書録 『果断 ―-隠蔽捜査2―- 』


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待ちに待った隠蔽捜査の2が文庫になった。

この人のSTシリーズや他の作品群も悪くはないし、前記事に書いたシリーズも荒唐無稽でよかったのだが、
それらを読むきっかけとなったのは、『隠蔽捜査』が非常に面白かったからだ。


他の作品群については、ひたすら楽しい話が多い一面、少し分かりやす過ぎて軽い。
              (謎解きがわかりやすいということでなく、人物像がわかりやすい)
その中で隠蔽捜査に出てくる竜崎は一味違って、なおかつキャラが立っているので、読んでいて飽きない。
嫌味なくらいまっさらな官僚で、揺るぎがない。
こう書くと彼もシンプルなようだが、そのシンプルさが、吉となる場合と凶となる場合がある。
考え方がシンプルすぎて、人の気持ちが分からないのだ。

SIT(捜査一課特殊班)とSAT(警視庁特殊部隊)の対立や、警察組織の煩雑さなど、
それ自体は使い古されたエピソードでありながら、
キャラ達の、良い面、悪い面双方が見えることで話がふくらみ、リアリティも増しているような気がする。


冒頭からしばらく、もう、パーフェクトというようなプロットが続く。
シリーズ一作目の事件のせいで左遷された先でも、相変わらず自分の正義を信じて動く彼のキャラクターと、
そのちょっとした横暴さと、彼を取り巻く人たちの動きが、過不足なく伝わってくる。

外から見ていると非常に仲がよく見えるのに、決して気が合うわけでなく、
お互いに思うところのある伊丹との掛け合い。

  伊丹  「水臭いな。おまえと俺の仲じゃないか」
  竜崎のモノローグ   だから嫌なんだ。

反抗的でだらしなく、(竜崎以外の) 上のものにはへつらう、それでいて何かありそうな戸高と、
信念&実力を持ち、礼をわきまえ、竜崎の公正さに驚きながらも、感謝しているSITの下平、
双方の価値を認めつつある竜崎が、

  戸高  「(去って行った下平に対して) なんだか、スクエアな奴ですね」
  竜崎  「君も少し、見習ったほうがいい」


そうそう、竜崎さん、ナウシカ好きなんですね♪


いやあ、楽しかったです。
一気読みでした。

          ・・・・・・・・・作品紹介にすらなってないですが (^_^;