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移動 2月29日の日記 『読書記録 蠅の王』

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あの有名なゴールディングの『Lord of the Flies』ではなく、
田中啓文の『ベルゼブブ』の改題のほうです。

これまで田中啓文の作品は、
しっかりとした背景のあるSF作品を、実にくだらない駄洒落で落とされることに、
歪んだ快感を覚えつつ読んだりしていたのだが、この作品はそのポイントにおいて不満である。

冒頭部分(プロローグのみ)はよかったが、その後は、
グロテスクな描写はふんだんに散りばめられているものの、ネタが、、、、、、、あまりにも弱い。

元々人間を書き込む作家ではないので、主人公や登場人物はどうでもいいが、
隠れキリシタンの預言書ひとつで、あそこまでパワフルな反キリスト&悪魔をでっち上げるのは
いくらなんでも荷が重かろう。

少しづつ謎解きをしていく構成になっているが、
聖書を知っていればかなりの勢いで真犯人(?)にたどり着く。

ネクロノミコン(ラブクラフトの魔導書)を作れとはいわないし、
長編まで駄洒落で落として欲しいとは思わないが、
ネタとオチはもう少し考えていただきたい。

(画像はラブクラフトファンが再現したネクロノミコン
 wikiに出てた拾いものの画像です。
 また、ギーガーが同タイトルでイラスト集を出してます)


まあ、しかしながら、聖書やキリスト教になじみのない人なら、
楽しめるかもしれない。
            ……とも思う。


無知は感動の母である。     
            ……いや、失礼(笑)


話は飛ぶが、オカルト好きの友人に、
 『日本の1000円札にシナイ山が描かれていて、それはフリーメーソンの陰謀である』
という話を聞いたとき、なんだかなあ、という気分を味わった。

エジプトにあるシナイ山は岩山で、雪は降らない(真中の画像)。
富士山に似ているのはノアの箱舟が漂着したというアララト山(下の画像)である。
謎解きにワクワクしたいなら、出展と地理関係くらい把握して置くように。

とはいえ、その一方で、旧約聖書の山々は、
何れも場所を同定できていないことも事実らしいのだが~

邪馬台国の所在地が今だに論争中なのにも似ていたりもする。

歴史って、そういうもんなのかもしれない。


……そういえば、イランで見つかったという箱舟の化石はどうしたんだろう?


                  by ブラックゼブラ

 
 #ゼブラお勧めの田中作品は「火星のナンシー・ゴードン」
     「新鮮なニグ・ジュギペ・グァのソテー。キウイソース掛け」

 #芥川賞作品のタイトルパロディになっている
          「蹴りたい田中」も持っていたりします。