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マックスウェルの悪魔

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新書版よりも、昔の表紙絵の方が好きです。
相変わらずamazonのURLが長いので、レビューにリンクします。
             (新書版の方が、内容が進んでいます)
いえ、読書録のつもりじゃないですよ(笑) 
読んだのは20年以上前だし。
 
 
以下、私の言葉で大雑把jに説明します。
…………… 
たとえば、箱いっぱいにパチンコの玉が入っていて、
その中に少しだけ、ガラスのビー玉が入っている。
同じような小さな球形だけど、よく見ると大きさも違うし、色も違う。 
そのままにしておいたら、きっと割れてしまうので、
一粒、二粒、と、つまんで取り出す。
     ビー玉は人間の目で見えるし、手でつまめるからね。
 
さて、人間が呼吸している空気は、酸素 20.99 %、窒素 78.03 %、
残りが二酸化炭素やらアルゴンやら水蒸気やらの混合気体だ。
酸素分子、窒素分子が、ぎっしり(?)詰まっている。
その数は、一辺1cmの立方体の中に含まれる窒素や酸素の分子の数で、
                   およそ25000000000000000000個だ。  ← 読みやすく言うと2.5×1019個ね
この酸素分子や、窒素分子を、一個一個把握して、
分離したり選り分けたり出来る奴がいるとすれば、そいつがマックスウェルの悪魔なんだよ。
 
    正確には、マックスウェルの悪魔の話は、分子の種類で選り分けるわけではなくて
    活発に動いている温度の高い分子と、ゆっくり動く温度の低い分子の熱振動の話で、
    気体分子の速度に差があるのを見極め、速度の速い分子と遅い分子を
    二つの部屋に選り分けることが出来れば、二つの部屋で温度差が生じて、
    熱力学第二法則エントロピーの増大)に矛盾するという、
    1871年にマックスウェルが思いついた思考実験なんだけどね
 
でもさ~ これが大気圧付近の気体だったりしたら、悪魔くん、もっと大変だと思うんだよね。
なぜなら、マックスウェルの仮定した気体分子は希薄な状態だったから、
気体分子同志がぶつかり合って、隣の気体分子に運動エネルギー(突き飛ばして加速させる)を与えないし、
まして、ぎっしり詰まってるから近寄り合った分子はみんな集団で同じ方向に進むしかないんだ~、
という気体の流れ (つまり集団で分子が動く風) を作ることも考えていないと思う。 
大気圧で当たり前のようになっている、うちわで風を起こすと、そこから離れたところまで風が届くのは、
うちわで動かされた気体分子が、隣の気体分子を動かして、そのまた隣の気体分子を動かして、
っていうことだからね。 こういう圧力を、粘性流領域、という。
 
これに対して、気体分子の数がどんどん減っていって、1000000分の1気圧(10-2 Pa)くらいになると、
                (一辺1cmの立方体の中に含まれる分子の数で、およそ2500000000000個くらい)
気体分子は、隣の分子とぶつからずに50センチくらい動けるようになる。
容器の大きさにもよるが、これなら、自分のエネルギーを散逸させずに、他の気体分子を動かすこともなく、
悪魔が準備したゲートにたどり着くことが出来る。 
分子がバラバラに動けるから、こういう圧力を、分子流領域、という。
 
大気圧だったら、この違いを考えなきゃならない。
      
   ちなみに、この辺はつらつら書いてるけど、公知の事実って言うか、どこにでも出てる内容です。
   wikiでは十分でないのを承知しつつ  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%A9%BA
 
 
普段喋ってる内容なので、勢いよく(電車の中で)書きましたが、、、、、
 
 
 セシウムによる水質や土壌の汚染とかの記事を見るとさ、
 一粒一粒、ビー玉を取り出すように、放射性物質を分離できないもんかな、
 と、つい、考えちゃったりするんだよね。
 
 
マックスウェルの悪魔、読み物としても面白いので、科学好きな方は、ぜひ手にとってみてください。
 

 
なお、マックスウェルの思考実験のように、熱振動の違いで分離することはほぼ不可能ですが、
混合気体を分子種ごとに分離する方法は、実はあります。
 
いったん気体を冷却して液体にし、気化温度(沸点)の違いで、分離することが可能です。
例えば、酸素の沸点 −182.96 ℃と、窒素の沸点 -195.79℃の間の、-190℃に空気を冷やすと、
酸素の沸点よりも低いので酸素は液化しますが、窒素はまだ気体で存在します。
液体と気体に別れているので、
液体だけとれば酸素を、気体だけとれば窒素を、という風に分けることが可能なわけです。