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(大阪) シンポジウムを聞いてきました

応物学会はOPJの会議で、大阪大学に来ています。
ホテルがモノレール沿線なので、吹田キャンパスからモノレールを使いました。(←普段は千里中央までバス)
 
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多分、以前訪問したことのある北海道大学の低温研の方なのだと思いますが、
分野横断研究のシンポジウムが、とても面白かったです。 
さきがけの研究領域企画のシンポジウムだったようです。
 
北海道大学にお邪魔した時も、とても不思議だったのですが、
不凍蛋白質はなぜ氷の成長と止めるのか? を、Physicsとして研究しているご講演。
 
空気 vs 氷表面 の界面において、反射率1.8%の違いから、0.37nmの高さ(氷の1分子膜厚を測れるか?
水 vs 氷界面 の界面において、反射率0.007%の違いで、層状の単位成長ステップのモニターができるか?
同じ界面に置いて、氷、あるいは水の単一分子の検出ができるのか?
 
私はナノ分野の物理屋なので、「原子間力顕微鏡(いわゆるAFM)使えば簡単じゃん?」 と、思うのですが、
彼らは、分子観察蛍光顕微鏡&微分干渉顕微鏡を使って、光学顕微鏡の像として観察します。
過飽和の水蒸気が成長する様子(0.37nmのステップの層状成長)の動画を見せてもらいました。
また同じ手法を使って、マイケル=ファラデーの時代からの疑問である、
 
          どうして雪だるまが作れるのか?  
                 どうして、スケートを楽しむことが出来るのか (どうして滑るのか)?、
 
の答えとなる、氷結晶が成長と同時に融解(疑似液体層)する実写版も見ることが出来ました。
            
レーザー補足法で非接触で氷が成長する様子を測定なさっている方もいました。
マイクロメートルオーダーの過冷却水滴が、マイナス60度になると暴れ始め(実際に動く)て、
氷の微結晶になる様子、そしてグルグル回りながら、今度は雪のような結晶を生やす様子を
これも動画で見ることが出来ました。
                                                  (無断リンクだなあ………・)
 
また、北大の低温研と言えば、
中谷宇吉郎博士が、世界で初めて兎の毛の上で人工雪の作製に成功したのが1936年なのに対し、
長らく、雲の発生メカニズムとして、水蒸気が水滴に相転移するには
中心となる凝結核が必要である、とされていたのが、  
湿った空気に紫外線レーザー光を当てると水滴群が発生することが、2007になって報告されるのです。
                          (メカニズム:酸素が紫外線吸収>オゾン>過酸化水素が凝結核?)
自分の研究分野であれば当然、進捗がわかるし、近い分野には普段から目を光らせています。
でも、少し距離のある研究分野を、数年に一度目にしていくのも、とても楽しいものだと思いました。 
       
     http://blogs.yahoo.co.jp/green_zebra_2008/31720857.html  読書録 『結晶は生きている』
     http://blogs.yahoo.co.jp/green_zebra_2008/19999723.html  北大の氷の結晶の研究室の話題
 
 
あっという間に夕方。 うあ………映画みたいな光景。 
                (真ん中にいるのは、いつかのペンギンです<違)
 
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シンポジウムを聞いたあと、以前研究所に勤めていた秘書さんと、夕食に行きました。
なかなか会えないけれど、同窓生のような気やすさで、11時近くまでおしゃべりしてしまいました。
 
                       って、ついこの間の京都の会議の時も会ってるんですけどね