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読書録 『狂言サイボーグ』

強風で電車が止まっていた時間に、読了。
文春文庫 野村萬斎 『狂言サイボーグ』 
 
  著者にとっての教養とは、「生きていくために身につけるべき機能」のことである。
  狂言師が舞台をつとめるための教養は「型」である。
  その「型」を個性・経験でアレンジしながら使っていくことで表現になる。
  これが狂言の一つの道筋である。時空を超えて疾駆する狂言師「萬斎」はこうして造られた。 
                                                 Bookデータベースより。 
 
テレビの子ども番組 「にほんごであそぼ」 に出てくる、狂言師野村萬斎さんが、けっこう好きである。
ご本人は撫で肩で首が長くて、和服体型なのだろうが、
洋服を着た時と、和服を着た時で、それも和服の種類で、体の形も印象もがらりと変わる。
役(雷とか蟲とか)の形を作った身体が、腕が、肩が、ぴたりと動かない。 
すげぇな、と、思っていた。
のぼうの城』 も、主演した人だ。 
原作とのギャップなのか、私の回りの人達の映画評は低かったが、
不思議と主演の野村萬斎については好評だった。
そりゃあ、あの人、顔まで含めて役になりきれるもん、と、心の中で思っていた。
 
狂言サイボーグ』 は、ご本人の書いたエッセイや狂言の解説などを集めた本で、
普段エッセイは好まない私も、狂言の蘊蓄がふりまかれているせいか、とても面白く読むことが出来た。
文章が固いのに、読みやすい。 
現代語、若者言葉を使っているのに、全体として受ける印象は、ちゃんと古典に外れるものではない。
著者本人の生き方と一致した様な文章だなあ、と思いながら読みました。
 
ちょっとお勧め。