映画鑑賞録 『容疑者Xの献身』
先週、テレビでやっていたので、『容疑者Xの献身』、を観た。
映画の方も特に観たいとは思っていなかったのだが。
小説が不満だった理由は、トリックがガリレオっぽくなかった事に加え、
主人公(容疑者X)の心の動きや、彼が心を寄せる女性に、
ここまでの献身をさせるほどの説得力(女性の魅力)が無かったためだ。
ところが。
映画の容疑者X(堤真一)の変人っぷりというか、気持ち悪さ(?)というか、それが名演で、
強引な説得力になっていた。
彼なら、隣人に執着して必死で助けようとするのもおかしくないし、
殺人犯になって投獄されても、頭の中で数式を解くだけで幸せに感じるかもしれない、
と、観るものに思わせてくれる。
そういうわけで、小説よりも、映画の方が良かったです。
なお、気づいてしまった読者にとっての、トリックのチャチさ(?)は原作と変わりません。
まあどっちでもいいのかもしれないけど、原作のこの書体は、
数物系の人間なら、エックスではなくカイと読みたくなるのではないかと思います。