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読書録 『雀蜂』

角川ホラー文庫  貴志 祐介『雀蜂』 読了
amazonのURLが長いので、例によって(幾分URLの短い)レビューのところをリンク。
 
感想はひとこと。 ど、ど、どうしたんだ、貴志祐介
 
山田某氏かと思う、軽~い文章力。 
いや、山田某の様にロックでハイテンションはないんだけども。 ←それって良い所がないのでは?
引っ掛かりがなく読みやすいのは、貴志祐介の良さをキープしてるのかもしれないけどもさ。
引っ掛かりが無さ過ぎなのは、小説の文章として、どうよ。
電子書籍に書き下ろされたもののようだから、超短編でこれをやるならいいが、
仮にも、中編……… いただけないぞ。
 
 
一言で説明すると、厳冬の山荘に、大量の雀蜂とともに閉じ込められる小説家の話だ。
主人公は過去に雀蜂に刺されたことがあって、
再び刺されたら、アナフィラキシーショックで死ぬ、と医者から言われているのだ。 
屋内にあるキッチン用品などで蜂と戦う姿は、コミカルですらあるが、 文章が軽すぎて、緊張感がない。
同じ昆虫ネタである 『天使の囀り』の身の毛もよだつ描写(しかも美しい)のとは対極である。
 
ネタバレになるが、(あ、「天使の囀り」 が昆虫ネタってのも、ネタバレだったかも)
100歩譲って、叙述トリックだからわざと、“それなりの”文章技量と深さで書いた、のかもしれない。
でも、オチに使うまでそれを続けられたら、うんざりする。
 
薄い文庫本(一日の通勤時間内で読了可能)だから、最後まで読んだが、
短距離通勤の人だったら、投げ出すこと請け合いである。
 
 
お勧めしません。
 
貴志祐介ならば、『天使の囀り』 か、『黒い家』 を読みましょう。