昔の映画鑑賞録 『2001年宇宙の旅』
BSで、『2001年宇宙の旅』 をやっている。
あまりにも有名な、あの映画だ。
はじめて観たのはいつのことだっただろう。
高校生だったか、大学生だったか。
少なくとも今よりも英語の聞き取り能力が高くて、少なくとも、2001年より前だった。
その中でHALの声は、なんとNobleでGentleだったことだろう。
低すぎず、高すぎず、知的で、優しげで。
くだらないジョークなど絶対言わなさそうな声である。
ダグラス・レインというカナダのナレーターなんだそうだが、私はこの人の声が大好きだ。
人間のせいで不調をきたしたHALが気の毒に思えたのも、ひとえにこの声のせいだろう。
動きを停止させられる時に、“I'm afraid (怖いよ)”って繰り返すのが、もう、かわいそうでかわいそうで。
当時からマシンに心を寄せる傾向があったんだな、うん。
また、当時、HALはどうして狂ったんだ、という疑問を持つ人も多かったが、
難解だと言われたこの映画も、SF好きで原作を読んでいた私には難解なところはない。何を置いても、この映画が素晴らしいのは、宇宙船や宇宙空間が、とても“綺麗”なところだ。
残念ながら現在、2013年になっても、これほど居住性のいい宇宙船はできていないし、
こんなに優雅な宇宙飛行士たちはいない。
1960年代という時代は、未知なるものや先端科学を、
優雅なもの、美しいもの、としてとらえていられた時代なのかもしれない。
何度も見ているので、今日、最後まで見るつもりはないが(DVD持ってるし)、
とにかく、何度見ても、この映画を好きだなあ、と、思う。
でも、アンサイクロペディアの表記も、結構好きなのよ。
いわく、『これは芸術である。ストーリー上発生する事件とは関係なく、この映画は名作である。
それら事件は意味不明であり、これからも適切な解釈が見つかることはない。
なぜならば、真の芸術とは、理解できないものであるからだ。
敢えて議論を挑む者などいない。馬の耳に念仏ということわざを知っているからである。』
しかしLSDのトリップはこれほど意味不明にはならないとの反論がある。』
批判的だったり、からかったりしてるし、ネガティブなツッコミもたくさん書いてあるけど、
なんか、何度もこの映画を見た人じゃなきゃわからない、愛があるんだよね