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そういうわけで、読書録『鬼虐め』

yahooの芸能欄に、お笑い芸人が書いた小説が面白い、というニュースが出ていて、
ホラーだというのでググってみたところ、電子書籍で全編無料で読めた★
その読書録。
 
滝沢秀一 「鬼虐め」 エブリスタ電子書籍 双葉社のものみたいだ。
  全編読める小説 http://estar.jp/.pc/_novel_view?w=22394287 
 
ストーカーをしていた男が、同じ女性を追いかけまわしている別のストーカーがいることに気づき……
という、そこまでは比較的ありふれた設定だが、
ストーカー男性が追い詰められていく感じがなかなかいい。
 
途中、「あれ?」 と思う稚拙な表現もなくはないのだが、山田某が小説家としてOKなんだから、彼もOKだ。
特に、冒頭の妙なリアリティと、ストーカー男の変態ぶりと、ホラー加減、デロデロ加減が、
(この道の最高峰である)田中啓文牧野修小林泰三ほどにはぶっ飛んでなくて、
だからこその現実感(と異常さ)が、たとえば飴村行くらいには面白い気がするのだ。
 
これは電子書籍ならではなのかもしれないが、
書き込みをあっさりさせておいて、行間(実際に10行単位で空いている)で読ませる手法もいい。
 
冒頭のペースで最後までいってくれればよかったんだけどなあ………
中盤から非現実的なホラーテイストが強くなり、
そうなると、(読者が)牧野修小林泰三とガチで比べざるを得ない話になり、
文章や設定の未熟さやありきたりさが目立って残念な結果になってしまった。
 
物語前半程度の非現実さにとどめられれば、この人は面白い小説を書き続けられるのではないか、と、思う。
ゴーストライターを使っている様子もなく(? 芸人としてはそれほど有名ではないらしい)、
ブログ類の文章も面白いばかりではなく、長らく小説を書き溜めているようなので、
ちょっと期待しても良いかな、と、思います。
少なくとも、華々しく小説家デビューした某イケメン俳優のものよりは、ずっとおもしろい作品かと思います。
 
   なお、改題の 『かごめかごめ』 は、言葉のイメージが強すぎて、しかもホラーとしてありきたり、
   先人がさんざん使いまわしたネタなので、微妙かなあ、と。
   すでにいる小説ファンではなく、新たな小説読みを開拓するつもりならいいのかもしれません。
   (元々小説を読んでいた人たちには、山田某の魅力が全く分からなくても、
                         新規の書籍ファンを獲得して、ベストセラーになったように) 
 
 
あ、文章は軽いですけど、デロデロ系ですよ?
食事前に読むのは、ご注意を。