映画鑑賞録 『Under the skin』

金返せ系映画、が続きます。
Under the skin　　　http://www.finefilms.co.jp/skin/

美しい映像ではあるのだが　（↑みたいなポスターは少数で、大抵はスカーレットヨハンソンの画像）、
カルト狙い、オタク狙いが行き過ぎていて鼻につく。
邦題は　『種の捕食』　………日本上映が決まってることが、驚きである。
スカーレット=ヨハンソンがフルヌードになるので、話題になるし、
それだけでカルトでも許されると思っているのかもしれない。


お話は、魅力的な女が、道に迷ったふりをして、車から男に声をかけ、
家族の有無やなどを聞き出そうと会話する。
それが、延～～々と続く。
男に知人、身内がなく、そして下心を示した時にだけ車に乗せ、不思議な家に連れ込み、
黒い鏡のような床の上を、服を脱ぎながら歩く。
あとをついていく男は、気が付くと黒い沼のような床に沈んでいき、
ピラピラの皮だけを残して中身を抜かれてしまう。

このあたり、かなり宇宙人っぽくもあるのだが、あまりにもセリフがなく、
暗示的な映像のつもりなのか、だれかの視線をただ追っているかもわからず―――眠くなる。

やがて彼女は、醜く、桁外れに孤独な男に会うことで、人間性に目覚めてその男を逃がしてやったり、
まじめに助けてくれた男と共同生活をしたり　(ただし彼女には食べる事もセックスも概念がないようだ)、
少しラブロマンスでも始まるのかな～、とも思ったが、それも脈絡なく立ち消え。

最後は山の中で森林警備員みたいな男にレイプされ、
背中の皮膚が破れ　( 。o Ｏ *1、
人間の皮を脱いだところを、驚いた森林警備員に火をつけられて殺される、という、オチ。



宇宙生命体だからと言って、必ずしも強いわけではなく、
養分を取るためか、種を残すためか、必死に頑張ってるけど、うまくいかなくて死んじゃいました、
……というSFは確かに新しいかもしれないけど、
ほとんど無声映画状態で美人宇宙人の動きを淡々と追うのは、映画としていかがなものか、と。


いや、映画館で観たら、映像の美しさが気に入るかもしれないんだけどね。

*1:へえ……色が黒いだけで人間型じゃん