映画鑑賞録 『あなたへ』

日曜洋画劇場で、『あなたへ』　を観た。

高倉健主演だから、追悼放映だろう。
以前、飛行機の中でも見はじめたことがあったが、あまりにも静かなストーリー展開に
途中でやめてしまったのだった。　テレビなので、今回は最後まで観た。

↑のリンクは、俳優たちの画像があるまとめサイトにしているが、出演しているのは名優ばかり。
全員そろって主演クラスなのに、よくこれを納めてるなあ、と、変なところに感心した。

私は派手な映画が好きな傾向があり、SFだのホラーだの、
要は現実離れした痛快なものを見ることが多い。
さもなければ、ヴィスコンティなどの美術として観てマニアックな映画が好きだ。
だから、邦画の感動ものを落ち着いてみることはあまりない。
高倉健と萩原健一との区別がなかなかつかなくて、
ファンの人(←年代的に上司だったり)に失礼なことを言ってしまったこともある。

それでも、高倉健はすごい役者だな、と、思う。


直木賞作品の 『鉄道員（ぽっぽや）』 は、浅田次郎の原作を読んだ。(←『プリズンホテル』が好きだったので)
いい話だけれど、静かすぎて、大ファンというにはならなかったが、
映画化されて、テレビで放映されたときに観た。
雪の中で、鉄道員が敬礼をするシーンがあるのだが………
ロングで撮影されているそのシーンが、一枚の絵のように、すばらしく、かっこよかった。
体軸のすっと通ったシルエットと、モノトーンの雪と、
映画の内容をすっ飛ばすくらい、いい絵だった。


横山秀夫の 『半落ち』 は高倉健に演じて欲しかったのだが、　
主人公の年齢が重要な原作だから、年齢的に彼では合わなかったのだろうか？

いい役者をなくしたなあ、と、思う。


それでもやっぱり、エンターテイメント映画が好きですけどね