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読書録  『潜入捜査』

今野敏ブックカバーシリーズ………・じゃなくて、 
いや北陸新幹線のブックカバーが欲しくて、4冊ずつ何回か文庫本を買ったら、かなりの部分が今野敏を選んでた、という

実業之日本社文庫 
今野敏 『潜入捜査』 読了

.  非情な手段でヤクザを叩きのめす、マル暴刑事・佐伯涼は突如、警視庁から異動を告げられる。
.  拳銃も手帳も取り上げられた佐伯の行先は「環境犯罪研究所」。
.   所長の内村は、産廃不法投棄に暴力団が関わる事例を説明、佐伯の力を必要とする。
.  佐伯家の祖先に始まり、佐伯自身も身につけている武術「佐伯流活法」を生かし、
.  暴力団が支配する運送会社への潜入が命じられた―。
.                                       BOOK データベースより
 

1990年前後に書かれたようで、携帯電話が無かったりMOっぽいものが使われていたり、
文体やストーリーも含めて、なんだかんだ古い。

ただ、古い小説ならではの勢いがある。

元々のタイトルは、『聖王獣挙伝』だそうだ。
本タイトルもさることながら、大化の改新時代の古い拳法と言い、格闘シーンと言い、エロシーンと言い、
菊池秀行全盛期ならでは影響を受けかただなあ、と、思いながら読んでいたら、
当時のタイトルは編集部の意向だったんだそうだ。

デビュー後間もないのか(←さっき調べたら1978の学生デビューだったからそうでもない)
文章が荒いなあ、と思っていたのだが、
その辺の問題点はすべて作者本人のあとがきで触れられていて、成長していく作家なんだな、と、わかった。
デビュー作から数作だけであとは見る影もない作家もいる中、ついつい好感を持ってしまう。

ただ、普通に面白くて、ジェットコースター的に読み進める小説でありながら、
いろんな意味で書き込みが浅くて、物足りなかった。
普通に読めば十分面白いので、
その辺は、超お勧め小説『隠蔽捜査』の作家だと期待して読んでるからなんだろうな