ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

読書録 『回廊の陰翳』

文春文庫 『回廊の陰翳』  広川 純、読了。

    広川純は、松本清長賞をとった『一応の推定』の作者で、(←そちらはまだ読んでいないのだが)、
    私が見て回るサイトでの読者評が良く、読みたいと思っていた作家の一人。 

イメージ 1
パリのどこかの教会の回廊です。


 『回廊の陰翳(←カゲと読む)』 の文庫本は 、夏に、京都の友人(注:赤い人ではない)から頂いた。
宗教法人の組織ぐるみの犯罪(脱税系、汚職系&殺人)を、
京都府警の刑事たちと、若いお坊さんたちが、それぞれに追っていく話だ。

お寺さんの専門用語や、しきたりが随所に過不足なく描写されていて、それがなかなか面白い。
謎解きよりも警察小説風の造りで、その割に、民間探偵のような坊さん3人組が出てくる。
各チームの動きは良いのだが、うまくかみ合っていないようで、特にラストの処理は残念だった。
犯人がうんぬんの問題ではなく、
汚職の犯人逮捕>>殺人事件の犯人判明 よりも、
殺人事件の犯人判明>>汚職の犯人逮捕、と逆にした方が良かったような気がする。
あるいは、汚職の犯人逮捕>>殺人事件の犯人判明 の後に、もう一段黒幕を引っ張り出すか。

山場が同じ大きさで、後ろの方が少し弱いので、ちょっととってつけたような感じになってしまった。
松本清長賞だから、もっと社会派社会派しているのかと思ったが、
悪人たちが単に金の亡者っぽくて、その辺も少し残念だ。
カップルを作ることで、2時間ドラマっぽくなってしまったのも気にかかる。

いろいろと、惜しい。

文章はとても読みやすいので、もう何作か読んでみたいが。



                                昨日、お抹茶BOYの運動会だったので、やたら眠い……
徒競走ではいつもの親友(?)とデッドヒート、
組体操では、毎回一番上に乗ってました。