読書録 『かさねの色目』
青幻舎 長崎盛輝 『かさねの色目 ――平安の配彩美――』 読了、というか眺め中。
出版社からの説明
かさねの色目は、もとは一枚の袷(あわせ)仕立ての衣の裏表の裂を合わせた色を言ったが、
後にはその衣の幾領も着装して表される衣色の配合色も「かさねの色目」と呼ぶようになった。
本書は、それらにつき、配色の再現とともに詳細な解説を施した。
カラーチャートみたいな本である。
和装や美術(絵というよりも色)に興味がなければ、何が面白いんだ? となると思う。
昨日、通りがかった湯島天神で、衝動買いをした本だ。
(割引券があって、湯島天神の宝物館に300円で入れたので―――中で本が売られていた)
出版社の説明の通り、合わせの衣の表裏の組み合わせ、
着物の重ね着の時の色合わせの法則みたいなもので、実にめんどくさく(?)、実に美しい。
色の組み合わせを見ているだけで、いいなあ、と、思う。
つらつらと、和装の色合わせなど考えつつ、この手の話をよくしていた友人のことを思い出す。
学生の頃の友人……と言っても、私は30近くまで学生だったから、友人のほうは途中から就職してたが、
お稽古ごと(茶道&着付け)がいっしょだった。
お互いの家を行き来する事はなかったが、当時は二人とも都心のワンルームに住んでいた。
その後、結婚し、柴又まで都落ち(?)した私は、都心で終電を気にせずに遊べる彼女が羨ましかった。
仕事が忙しかったせいもあるのだろう、彼女はずっと結婚しなかった。
で、賃貸の家に住み続けるのに飽きたのか、流行にに先んじて、数年前にマンションを購入した。
都心から離れて、ファミリータイプに相当する2LDKくらいの所を探す、と言っていたから、少しだけ気になった。
なぜならファミリータイプのマンションには、ファミリーが住むことが多く、住人が画一的だ。
私が夜遅くまで(?)勤めているだけで、夫と子どもがいても何かにつけて特殊扱いされた。
日中配達の共同購入を断ると、「まとまらないと安くならないのに」、と、私をわがまま扱いする人もいた。
わずらわしかったので、「何か法的に問題ありますか?」 みたいな言い方を連発し、
やがて私は、彼女たちが気軽には声をかけられないポジションを獲得した
……・彼女のメールに、ワンルームにいた時の方が気楽だった、と書かれていた。
一人暮らしならそうだろうなあ、と、思わないでもない。
他人との距離の取り方は、街によって、世代によって違うが、
例外というほど例外でなくても、その場で少数派であると生きにくかったりする。
40%+30%+30%であっても、40%に当たる人だけが幅を利かせるのは、日本の悪い所だと思う。
マンションを購入するシングル女性たちの記事を、最近の動向として週刊誌などで見かけるようになったが、
新しいこと、先端の生き方って、たぶん、まだしばらくは少数派なんだよね。
私と同様、彼女も苦労しているようだ。
久しぶりに電話してみようかな。
って、ハロウィンですね。 若かりし頃(2012年)の爺ちゃんハムスターです。