ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

読書録 『フリークス』

久々のキオスク小銭文庫(←小銭が欲しくて一万円札で購入する、店にとっては迷惑極まりない文庫本)、
角川文庫 綾辻行人 『フリークス』 読了。

綾辻作品はアンソロジーに入っていることも多いので、
前に読んだことがあったかなあ、とも思ったが、すっかり忘れているのでなければそれはないようだ。


第1話 
久しぶりで気合が入っていなかったのでトリックには気づかなかったが、よくあるタイプの話かと思う。
綾辻行人は好きな作家だったので、作風が懐かしかった。



第2話はすぐにネタを連想した。
主人公が精神異常をきたす動機というか、きっかけも想像ついてしまった。

何でだろう、冒頭の火災シーンを具体的に想像しすぎたからかな?
そもそも、イメージのあとに音感が似た人名が出てきて、「ん?」となり、手元に記述してみて、ネタを発見。
唯一気になったのは、それが単に小説家が小説を書くときの遊びとして使ったのか、
トリックを解くキーワードとして入れたのか、どっちなのかな、と。

それより、日記をベースに話が進んでいくのだが、その中に
「私は醜い化物だ。 化物だ、化物だ。 化物だ、化物化物化物化物化物化物化物化物化物……
 ……ばけもの」

という、本来なら盛り上がる(?)表現部分があるのに、私がイメージしてしまったのは、
物理化学    ええと、まあ、これは仕方ないです、はい



第3話、冒頭はホームズとワトソンの会話の和訳を読んでる風で鼻についた―――ので真似てみる。 え?

小説分野的にも設定的にも、この種の短いシリーズ物のラストを飾る短編としては読者側に結末の予測がつきやすく、ゆえに推理小説自体への興味よりも、自分の予測が正しかったか否かが最優先で気にかかるという理由で読み進んだ。そのようなわけで、私はこの140ページあまりの中編 「フリークス」を、通常の小説を読む次官よりも短時間で読了したのだが、結末は当初推測した予測の通り、トリックも予測の通りのものであった。
近年の出版物においては、SF小説における科学考証と同じで、犯罪小説で犯人の用いるトリックも複雑化、巧妙化していく傾向にある。それらの小説で学ぶことにより、あるいは実在の事件報道を見聞きすることで、読者たちはそのトリックに慣れ、いつの間にか当たり前のものとして思い浮かべられるようになる。推理小説家への同情を禁じえない。本編の公開された1996年にこの作品を読んだとしたら、少しは違っただろうか?
                                       ―――やってみると結構難しいな

変な楽しみ方だったけど、面白かったです。