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亡くなったのか……

辻村寿三郎のやホリヒロシの人形が好きだ。泉鏡花が好きなのも、昔、ここで書いていると思う。

泉鏡花の描く人外のものは、皆、容姿が美しくて、個々の美学を持って生きていて、
天守物語も、海神別荘も、そりゃあ―――美しい。
               もう、オスカーワイルドに読ませてやりたいくらい。

高校~大学学部生のころの私は、舞台にはほとんど興味がなく、
泉鏡花の小説の美しさは、映像化はできないものだと考えていた。
玉三郎の『夜叉ヶ池』が、彼の美しさに反して気に入らなかったからかもしれない。

そんな中で、波津彬子という人の描いた『海神別荘』は、群を抜いていたと思う。
生贄の娘が変異した白蛇の美しいこと、切り落とされた女の首の微笑が美しいこと……
ひどく世紀末的で、情愛とか常識とかをシェイクされるようで、
たぶんそれは泉鏡花の原作がすでに持っているものだったのかもしれないけれど、
               もう、オスカーワイルドに読ませてやりたいっ と、その時も思った。


天守物語は、寿三郎の人形で覚えている。
確かテレビで中継されていたのを見たのだと思う。
大雑把に言うと、人間を溺れさせたり生首を愛でたりする富姫と、
まじめに君主に仕えていたけれど、あまりの横暴さにブチ切れる若い侍のラブストーリィである。

寿三郎の人形はこんな感じ。http://ameblo.jp/jusaburo/entry-11165962154.html からコピーさせていただきました。

イメージ 1

これは図書之助も人形だが―――
いつ、観たのだか覚えていなかったのだが、姫を寿三郎が動かしていて、
図書之助を人間が演じている舞台で、その人間が平幹二朗だった。

少年のようにしか見えなくて、ヘタレ(←原作どおり)で、
                  (泉鏡花作品における人間は、愚かな生き物のポジションだからね)
でも、主人や人間世界を捨てて姫の許に向かうシーンが、ものすごくいいのだ。
                   もう、オスカーワイルとに見せてやりたいくらい ←くどい    



その平幹二郎氏が亡くなったそうだ。

80過ぎの高齢だそうだから、仕方ないのかもしれない。
彼のファンというわけではない。
現代もののドラマの黒幕的立場で出てきても、特に思い入れなどはなかった。
図書之助を演じてた人だな、と、思うだけだった。


でも―――図書之助、きれいだったよなあ……