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映画鑑賞録 『グランドピアノ 狙われた黒鍵』

GYAOのあおり文句が面白かったので、つい観てみた映画。『グランドピアノ 狙われた黒鍵』
というか、限定公開されていたのを、オンデマンドで公開したものらしい。
(いまならGYAOで無料で見れるようです)

wikiを中心に適当にアレンジしたあらすじ
  演奏から遠ざかっていた天才ピアニスト、トムは、恩師の追悼コンサートで5年振りにステージに立つ。
  当日、ステージに用意されたのは、恩師が遺した最高級のグランドピアノ・ベーゼンドルファー・モデル290
  そして曲は、恩師とトム以外には演奏できる者はいないと称される『ラ・シンケッテ』だった。
  そもそもこの曲でミスタッチしたおかげで、トムが演奏することができなくなってしまった、いわくつきの曲だ。
  プレッシャーと戦いつつ、舞台に上がったトムは、演奏中、楽譜に書かれた
  「1音でも間違えたら、お前を殺す」という脅迫文に気づく。
  スナイパー
がトムを、そして彼の妻を狙っているのだ。
  理由も分からぬまま、一音もミスできない、命がけの演奏が始まった。


いろいろ突っ込みどころもなくはないのだが、すごく面白かった。
どんな映画って、コンサートのワンステージで、トムが携帯と無線で犯人と話しながらピアノを弾くだけ、
という言い方もできるんだけど、緊張感も良かったし、
トラウマに囚われていたトムが、犯人と戦ううちに、力強く立ち直っていくのも、見所だったと思う。

ただ映画全体として、犯人の意図がわからずにトム(と観客)が悩む――のを期待した作りなのだが、
(以下、反転してみてください)
曲を一音、一タイミング間違わないで弾け、って、それは何かのパスコードにしているとしか考えられないわけで。
しかも、恩師の作曲、レンタルされている恩師の特別仕様(?)のピアノ、ときたら、
ピアノに細工がしてあるとしか考えられないわけで。

もう 「コナン君!」 って、世界である。
犯人グループ、コンサートで観客が山ほどいるところでピアニスト恐喝なんて面倒なことをするよりも、
むしろピアノを分解しちまったほうが楽じゃないかい?
実際問題として、ラストシーンで、故障したピアノが、その辺に野ざらしにされてるわけだしさ。

というわけで、その辺が突っ込みどころではあるのだが。


なお、この日本語タイトルの「黒鍵」は、映画を見たところ、半音の黒い黒鍵ではなくて、
ベーゼンドルファーの低音の黒い鍵盤のことのようだ。

イメージ 1

人間の可聴帯域の下限周波数は20Hzくらいで、88鍵ピアノの最下周波数は27.5Hz、
その下に9鍵盤付けている97鍵盤はオクターブ下の14Hzにこそ行かないまでも、
かるく20Hzは超えている(20Hz以下になっている)はずである。
何でそんなの作ったんだ………

「観客は気付かない」と、トムが言うのはいいとして、
楽家なら気付く 「音の違いがわからないはずの領域の音符」 が書かれている楽譜への疑問や、
逆にいうと、だから 「怪しいのでは?」 と考える人はいなかったのか? 
なんてところが、私個人的には気になりました。

でも、ピアノ愛好家の皆さんに、ボロクソに口汚く酷評されている映画でしたが、
 「あんなことをして、ミスタッチをしないはずがない!」というのは、私にはどうでもいい突っ込みポイントでした。

            って、そういうのはビルにへばりついたトム・クルーズにでも言ってやれよ、と思う

単なる映画ファンの私としては面白かったですよ。