ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

読書録(漫画) 『ヒメゴト 19歳の制服』

webの無料漫画だったので、免許更新やら、買い物やらの待ち時間で読了。といっても、3巻までだけど。
ヒメゴト 19歳の制服』って、一読すると妙にオヤジ系エロ漫画風なタイトルである。
漫画家である峰浪りょう の絵を知らなければ、クリックなぞしない。

峰浪りょうは、ちょっと18禁描写はあるものの、中身は少女マンガ、少年マンガを描く人で、
大学生アルアル話題とか、オトメでクールでその実みっともないほろ苦さなどを描き出すのがうまく、
テーマや心の動きも、今風というよりも一時代古い(つまり自分の時代に近い)感覚で、
そんなこんなで比較的気に入っている漫画家さんだったのだ。

  周囲から男っぽく見られている女子大生・由樹(ユキ/ヨシキ)は女の性欲も恋愛欲もあるくせに、
  男っぽさを演じてしまう自分に嫌気がさしていたし、男っぽさを求める親友(男)も疎ましく感じ始めている。
  女子高生の制服を着ていれば、男っぽい女の子、というアイデンティティがあったのに、と、苦しむ。

  由樹の友人の未果子(ミカコ)は、成熟した女になることを拒否し、15歳の自分を演じ続け、
  その中には、少女売春で未成年に群がる男を見下げて満足するという歪んだ欲望が混じる。
  そして女でも男でもない、無垢で純情な少年のような由樹に惹かれる。

  同じ大学に通う佳人(カイト)は女子にモテる美形な癖に女装癖があり、美少女である未果子に憧れる。
  未果子のかわいらしく高価な服装をトレースするために、スポンサーとなる年上の女に貢がせながら、
  彼の女装癖を知る由樹を女友達と感じることに喜びを覚え、そして由樹自身を大切に思う。

一人ひとりの心の動きは、ある程度の実感とともにわかるが、これが同じクラスにいる設定はむちゃくちゃである。
一つ一つが深刻になのにもかかわらず、案の定、集まるとコメディになってしまう。
そう、昔流行った、紫門ふみの漫画のような、といえばいいんだろうか。うんざりする位のすれ違い。
(なお、私は紫門ふみの漫画は作為的過ぎ、また、押し付けがましいので好きではない。
 峰浪作品も、同様の作為やウザさを感じるものもあるので、微妙な線上の作家なのだろうとは思う)

自分の大学時代はこんなに浮ついていなかったという人はいると思うし、
「ばかばかしい」と、秒殺する人もいるだろう。
その辺は学生であった時代や、個人の友好関係によっても異なるのだろうが、
大学生って、こういうばかばかしいことを真面目に悩んだりするのだよな、と、懐かしかった。
80~90年代にチャラチャラした私立大学に行っていた私は、なんだかとてもわかるマンガなんだよね。


3巻まで無料で読めるようだし、別のサイトでは最終話まで公開しているところもあるようだ。