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映画鑑賞録 『MW』

基本的に映画、好きなんだよな、
この忙しいのに、また観てしまった・・・・・・

手塚治虫原作の漫画、「MW ムー」を映画化したもの。
まだ観ていなかったので、GYAOの無料版を眺めてみた。
(ほかのことをしながらの鑑賞だったので、詳細は見切っていない可能性が高いが)

クライムノベルあり、国家権力に反発するテロリストものでもあり、グロテスクな殺人描写は出てくるものの、
カーチェイスあり~の、戦闘機が飛び交い~の、と、スリリングで楽しい(?)映画である。
原作を知らないのなら、「面白い映画を作ったな」と、手放しで賞賛したかもしれない。

殺人鬼の結城美智雄役、玉木宏はこれ以上ないというはまり役だったと思う。
牧師の賀来裕太郎役は、他の人でも良かったんじゃないかと。
苦悩する藤原竜也が、個人的にはベストキャストかな。
刑事役も、米軍兵士も、政治家たちも、そつなくキャスティングされていたと思う。

が。

映画全体を観ると、なんだか収まりの良い復讐物に成り下がっちゃってるんだよね。
それが悪いのではないが、原作のぶっ飛び加減とか、
壊れちゃった人間の、純粋に殺人を楽しんでしまう怖さとか、
今は善良な人の昔の過ちが、殺人者を作り上げちゃったこととか、で、その苦悩と後悔とか、
はたまた、同性愛や猥雑な性愛や、金や政治以外の汚らしさみたいなものは、
映画からすべて取り払われてしまっていた。

手塚キャラの中では、マクベやロックが典型的だが、
(仮にきっかけはあるにしても)根拠なく、ひたすら悪人── その上で魅力的──
結城はその流れのキャラだと思う。
映画での、親や村人たちの復讐要素は、原作にはなかったはずだ。


原作どおりに作ったら、収まりがつかなかったのかもしれないが、
少しもったいない気がする―――