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人材育成シンポジウム-----教員の使命?------

応用物理学会にて、人材育成関連のシンポジウムに参加した。

狙いは、個人の能力を生かして育てるための、国、大学、企業などの取り組みの紹介と
産学協力の人材育成....... と言うくくりである。

講演者は、文科省経産省に加えて、大手企業2社、ベンチャー企業、外郭団体、大学2校

現在日本に1万4千から1万5千人いるというポスドク(博士号を持っていて、期限付きポストにいる人)、
また、これから、博士号をとる大学院生たちをどう流動させるか、どう定職に就かせるか、
というあたりがテーマになっている。

 いつものように、文科省に比べて経産省はパワフル。
 具体的に何かを進めようというセリフが強い。
 今回のシンポジウムは大学生やら大学院生、教授、国研など文科省系の人間が多かったので、
 感動はしたけれど、具体的対策について進むかどうかは難しい所。
 
この辺は、今回にはじまったことではないが........
一方、企業系の方々は、

 大手M社が「自社でトップになる人間を育てたい」というのに対し、
 大手S社は「会社を踏み台にして、何をしたいのか? 社員の転職・独立も歓迎」
 ベンチャー社は「一人前になったところで出て行かれるのは困るので、良い社員には良い処遇を」

三者三様で主張がわかって、おもしろかった。
プレゼンテータとなる会社を選んだシンポジウムスタッフの勝利だと思う。

企業系はいずれも、大学での知識などすぐに廃れ(年25%減。約4,5年で使い物にならないほど古くなる)
そのあとはものを考える力や、学力(知識をため込んだ知力でなく学びとる力のほう)が必要になってくると云う。
そのものを考える力や学力は、小学校や中学校で培われるのではないか……って
このシンポジウム、大学以上だから、遅いじゃん(苦笑)

研究費を配分する巨大外郭団体のうちの片方である、独立行政法人は、

 「少しでも専門が違うと、やってきたことや、やりたいことと違う、と言って、
   拒絶するポスドクがいる。それでは、就職はできない」 
また、
 「政府の戦略に従い、かつ、将来性のあるテーマにブースター風に研究費を出している  
   研究者のヒーローを作るときに、足を引っ張るな」

イメージ 1
 
それぞれ、心当たりがあるなあ(笑)
彼らのやってきた最前線は、企業さんの言う通り、あっという間に古くなっていくんだけどねえ。
研究者なら新しいことを学んでいかなきゃならないんだから、固執るすことはないはずなのだが。

研究者ヒーローのほうもね、足の引っ張りあいがあるという話も聞く。
とはいえ、ヒーローを作るために作っているというか、でっちあげてる様子がある時があるので、
そういう反発が足を引っ張ってるのかも。
イチローや松井は、公明正大な観客の目の下でヒットを打ってるけど、
研究者のヒーローはわかりにくいから……

とはいえ、ノーベル賞だって、騒がないと取れない時代だからねえ....
 (写真はノーベル場授賞式を行うストックホルム市庁舎、2007年の撮影)


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さて、つづき、大学の先生方。
  
 「子供の頃から目指していた夢は同じ、
  時計やラジオを分解し
模型屋になりたいと思っていた。
  創意工夫には、幅広い知識が必要」
    
幅広い知識、メタボリックTはよくわかったけど、
やっぱり子供のころからの考える力かぁ~
    
では、大学の教員や研究所職員である我々は
すでに大学に来た時点で固まってしまっている
学生たちに、何もできないのか?
   
小中学校に出前授業をするのが精いっぱいか?
出前授業をしてまわるより、小中学校教員を鍛える方が効果的じゃないか?
    
 あ..... ティーチャーズサイエンスキャンプっていうのがそれか。
   
    
そして最後の講演者、
   
 「博士号は、どんな研究もやっていけるというライセンス。応用と関連付けができる知識を与えたい。
    専門にこだわるべきでない。考える力は、どこでも(小中学校より後でも)作っていける」
   
おお.....(^^) スピーカーは、友人でもある私立大学の教員。
あなたの研究室の学生は教授が厳しくて大変かもしれないけど、就職時の面接など、有利だと思う。
   
と、思ったら、シンポジウムスタッフだったんか(爆笑)
流れ的には、大学に何ができるかろいう所に収めないとシンポジウムが無意味になっちゃうよね。
そういうことで、トリの講演を務めてたのかぁ....  考えてるなあ~
   
      感心する部分が、ずれてしまっているのはご愛敬
   
      そもそも、大学の発表はご自分のプロフで話す研究話が面白くて、
      人材育成関連の情報が記憶に残りにくいのだよ………
  
  
結言。
  
変な話だが、子供のころの夢や、好奇心を持った出来事を完全に忘れてしまっている人は
少ないのではないだろうか?
   
好奇心を思い出させる、発展的な学習能力を引き出してやるのが、大学教員の使命だと思う。

なお、、多分これを読んでらっしゃる小中学校教員のかた……  君たちだ、君たち(笑)
そういうわけで、日本企業も大学も、考える力を持った人材を求めてる。
大学で頑張ることはもちろんだが、効果的には君たちの力が大きい。

日本は江戸の時代、英国では女の子の教育システムなど皆無の頃から、寺子屋が発達し、
半数近くの子供が、読み書き算盤が出来たという教育大国だ。
算術ゲームのような図形問題で賞金を出したり、俳句や川柳が庶民に流行るのも
めちゃくちゃ文化的で教育的じゃなかったか?

日本の歴史のポジティブな部分を、これからも伸ばしていこうではないか♪


......学生向けの、お話に続きます。