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人材育成シンポジウム ------ 夢浪人? ------

応用物理学会にて、人材育成関連のシンポジウムに参加した。
これは、感想その2です。

シンポジウムの主な内容は教員の使命のほうに書いたので、ひとまずパス。


学生やポスドクが、いかにしてパーマネントポジションをとるか、ということを考えてみる。

企業の講演者が言うことには、
「成長しようとする意志のある者が成長できる」のだから、とにかく前向きな人がほしい。
「広い視野を持ち、それを具体化する力を持つ人」
 新人研究者の持つ、「その分野での人脈と、機動力」
最先端知識など、すぐに古くなるから、「入社時の知識量はそれほど重視しない」
                              ........のだそうだ。

その上での、個人好奇心と幅広い知識を求められているのではないだろうか?
専門分野に特化しているのは悪くはないが、他の分野に目もくれないのは困る、と。

そもそも、宇宙論や、理論物理の学生ははなから別分野の研究業務につくことを辞さない事が多いが、
その他の専攻でも、大学に入学した時点で流行の分野だったとすれば、
7年後9年後 (標準的な博士取得年) には、トップ業界ではない場合も多いのだ。

就職活動時点で持っている自分の専門知識を、企業や大学 (研究室の研究とプロジェクト研究双方を含む)に
いかに生かすか、自分が参加したら、相手側の研究がどのくらい進むか、
研究者なら、そんな攻撃的(?)なプレゼンテーションが成功することもある。

残念ながら、そういうプレゼンテーションは日本人より中国人をはじめとする外国人のほうが得意で、
結果、研究機関には外国人研究者が増えていくのだが……


また、自分でやりたい研究が、はるか未来を目指しているとすれば、
ライフワークとしてそれを持っていてもいいと云う。

「企業の研究には協力します。
    でもライフワークとしてこれを解明したいので、時間外は装置を貸してください」

講演者だった大手企業の重役たちは、それも認めると言っていた。
研究者である彼らは、自分たちのやってきたことを考えれば、
若い研究員たちの他の分野への興味も認めざるを得ない、と。

日本企業には、そういう懐の深さもあるのだ。


 国立研究所をはじめとする研究機関の場合は、もう少し研究歴を重視する場合が多い。
 ポスドクポジションならばともかく、パーマネントポジションで採用する研究員は、
 自身がトップとなって研究を引っ張っていくことを求められる。
 自分の研究を、いかにうまくアピールし売りこむかが成功の秘訣になる。
 
 あと、公的研究所の審査員は全員日本人とは限らないので、
 プレゼンテーションは英語を求められる場合が多かったりする。





..... 研究者に限ったことではないが、
自分に適した職がないからと言って、何もせずに踏み止まっていたり、
モラトリアム風に薄給のアルバイトを続ける人がいる。

自身の将来像や、夢を持っているから、夢に対する浪人時代なのだと、
自分の理想は高いのだと、そういう言い方をする人もいる。

しかし、大学浪人が予備校に行ったり、自分で勉強しなければ合格しないのと同じように、
具体化する努力を怠っては、永久浪人になるだけのではないだろうか?

自分を信じることも悪くないとは思うが、
認めてくれる所を探して、受験校をひたすら増やすだけでは........



なお、今日は元学生さんの発表がありました。
いい所にポジションを見つけてくれて、何より。


しかし..... 週末のない生活してるなあ(涙)