ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

読書録 『蛇苺』 『人形になる』

仕事がちょっと忙しくなると、通勤の行き帰りに小説を読む余裕がなくなるので、
読書録も少なくなるのだが、
小銭文庫 (←タクシーに乗る時1000円札があった方が楽なので、両替目的でキオスクで購入する文庫本)
が何冊かたまったので、辛口感想。

竹書房文庫 『恐怖箱 --- 蛇苺 ---』  深澤夜 原田空 つくね乱蔵

 実話オンリーの怪談コンテストの収録本。

 所詮、好きな作家でもそれほど読みたい小説でもなく、小銭文庫なんだよな、
 と、思いつつも、2ページから数ページで一話が終わるので、なんとなく読了。

 ノンプロと思えるライターさんたちだが、
 文体とオチだけで、だれが書いたかなんとなくわかるのが興味深かった。
 拾ってきた実話を集めたという名目だから、怪談話の拾い方に特徴が出るのか。

 この中ではつくね氏が一番書き慣れている印象を受けるが、怪談としての怖さはない。
 この人の文章の軽快さは、いつかまた読んでみたいと思う。

 その一方、怖さ云々ではなく、一番実話っぽかったのは深澤氏か.......

 いずれにしても、1週間後に覚えている内容はないかもしれない。


徳間文庫 『人形になる』 矢口敦子

 ……………なんだかなあ.....

 同じネタで、泡坂妻夫が何か書いてたような記憶がある。
 作者の方が何かハンディキャップがあるようなことがあとがきに書かれていて、
 小説にもハンディキャップの方が出てくるのだが、
 ネタの耽美さに比べて、文章や思い浮かべられるシーンがあまりにも拙い。

 耽美とおやじギャグが交錯したような泡坂作品に比較するのもどうかと思うが、
 人形ネタや人形師を持ってくるなら、もう少し情景をどうにかしていただきたい。
 単に、私の想像シーンと合わないだけなのかもしれないが......
 

 同収録の『二重螺旋を超えて』も、ネタの重さに比べてあまりにも安直です。