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読書 (?) 録 『@ベイビーメール』

 
読書 (?) 録  角川ホラー文庫 『@ベイビーメール』  山田悠介 読了。

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角川ホラーには、たまにぶっ飛んでて面白いのもあるんだけどなあ~
小銭文庫 (ゼブラ命名、自販機などに細かいお金を用意したいときに購入するもの) にしても、
なんでこれ、買っちゃったんだろ。
っていうより、なんでこれが出版されたんだろ?

マチュア小説家の文章もずいぶん読んでるから、「おいおいおい」っていうのも未経験ではないけど、
もっとうまい人が山ほどいると思うんだけどなあ。

  ちょいと思いだしたので推薦しておく。
  はじめはアマチュア作家として読んでたのだけど、ホラー好きには絶対お勧めのこの人。  
                     狂気太郎氏: http://www.h5.dion.ne.jp/~madtaro/
  初期作品 『自殺の時代』 なんかはかなり読みやすいとホラーミステリーだと思う。
  また非買運動がおこりそうな 『青少年倫理道徳復興委員会』 も、綺麗にまとまっていて読みやすかった。
  わたしが読み始めたときは(10年近く前だろうか)アマチュア作家の方だったが
  当然のことながら、プロデビューなさったようだ。
  プロとして出版された本が、彼のベストではないように思うのだが、どうだろう?

 
さて、『@ベイビーメール』 
お話の内容は、 (『リング』+『着信アリ』)÷5 といったところ。
リングも着信アリも私的に評価は高くないのだが、
  (『リング』が怖くないことに関しては、私の方に問題があるかと思う)
『リング』も『着信アリ』も文章は読みやすかったし、何よりもお話が破綻していなかった。


そもそも、『@ベイビーメール』には無理がありすぎる。
事例が二つあるだけで、いきなり超常現象に結論付ける刑事がいるとも思えんし、
警察官も、学校教師も、あんなに暇だとは思えないし、脇役も全部ご都合主義だし、
仮に登場人物のディテールには目をつむるとしても、ネタ、ストーリー運びが根本的に無茶だ。

苗字のイニシャルが一致しただけで容疑者、参考人にされた日には、もう、ど~すればいいのさw

  登場人物の思考のぶっ飛び方だけ見れば、『湾岸リベンジャー』 にも匹敵する。
  ベイビー……は飛んでるのを意識してないから、お遊戯っぽくなっちゃうんだけどさ。

進行が等速直線運動的、要は個人のメモに、均等な厚さの肉をつけたように、
タクシーの運転手の会話やら、喫茶店の打ち合わせの時に居合わせたウエイトレスまで、
すべてが時系列で羅列されている。 
赤川次郎風「……したのだった」、を乱発する文章も全然ダメダメだし。
いや、ダメ以前に文法違ってる。
間違っててもリズムが良かったりすれば読んじゃうのだが、リズムも変。

いっそ一人称で書いてくれれば、文章のまずさは (記述者の) 語学レベルだということで見逃せるけど、
これはないよな~  orz

  下のリンクは彼の別の作品 『リアル鬼ごっこ』 に対する評が書かれたものだが、
  見事に彼の作品を言い当てているように思うw 具体例もあるので頭痛を感じたい方はどうぞ。
       http://www11.ocn.ne.jp/~nfs/book_yamada_real_kai.html

罵声を浴びせつつも、ページが軽くてスピードがつくので、惰性で最後まで行っちゃってました。
1時間で読めるからできた技w

あろうことかこれは映画化されたようなのだが、あらすじが、これ。
ウソはついていないんだが、内容もこの通りなんだが、この文章書いた人はすごいなあ。
これ読んだら、まるで面白そうに思えるじゃないか。
                 http://woman.excite.co.jp/cinema/movie/mov7687/


トップ画像は徳島の観光協会にあるという、日本で2番目の公衆電話 (の再現)。
電話だのメールって、神秘的だったんですかね?
あんまりボロクソに書いたので、次の記事には数少ないお気に入りJホラーも書いておこうw