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昔の読書録 『天使の囀り』&『黒い家』

貴志祐介 『天使の囀り』 角川ホラー文庫


ホラーシーンとしては、そんなに派手なものがないので、
読み手によっては 「どこが怖い?」 となるかもしれないけれど、私にはこれは怖かった♪  
逆襲するミトコンドリアの 『パラサイトイブ』 なんかよりも、
もっともっと現実的に、言ってみればサイエンティフィックに怖い。

ただ単に気持ち悪いのか、怖いのか、と言えば、
魅力的な腐乱臭と言うか、「美声で鳴くゴ〇〇リ」 というのか (←こんな感じの表現がある)、
その辺の嫌悪感の謎解きとしても楽しいものがあります。

最後の方に、(本筋的にはどうでもいいような) 末期医療に繋がるような問題提起なんかがあって、
その辺は 「この小説にそれは不要だろ!」 と思う面と、
「ここを膨らませたら、人情とホラーを合わせた『ペット・セメタリー』みたいな作品になるかな」
とも、思います。
そういう意味で盛りだくさんで楽しめました。


また、貴志裕介は 『黒い家』 も非常に良かった。
でも、超常現象が出てこなくて現実的な小説だったのが災いして、
小説を読んだ直後くらいに保険金殺人が連続で起き、
フィクションとしてはシャレにならなくなっちゃったので、ゼブラのお勧めホラーに入れてません。

とはいえ『黒い家』は初めて読んだ貴志作品だったので、インパクトは強かったです。
保険屋が主人公で、その内容が妙にリアリティがあると思ったら、
作者に保険関連会社の勤務経験があるとか。 ……いやなもん、いっぱい見てたんだろうなあ。

小説で保険屋が巻き込まれていく様子とか、
腐臭に包まれている家とか、もう、リアルで気持ち悪すぎ。
保険金のために自分の身体を切り落としていく男も、子供を殺す女も、怖い。と、その時は思いました。
(子供を殺す保険金殺人がニュースになった時、黒い家だ……と、思ったもんなあ。

それとも、保険屋的には、(小説ネタにするくらいで)驚かないことだったんだろうか、
と、ぞっとしたもんです。

特に、子供が赤ちゃんで可愛くてたまらない時期だったからかもしれないけど。


なお、『黒い家』 の、映画は最悪です。
キャスティングはいいのに~ 
無駄な心象映像入れなきゃよかったのに~ と思ってます。

安易にwikiをリンクしておきます。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E3%81%84%E5%AE%B6

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