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読書録  『ジウ I 』

 
読書録 中公文庫 誉田哲也 『ジウ』、学会出張の移動中に、読了。
 
あるところまで読めばスピード感はあるし、そういうわけで後半は一気に読めたのだが、
感想を一言でいうと、残念ながらイマイチ......
小銭を作るためにキオスクで購入した文庫本だったら、あたり だと思っただろう。
が、評判がよかったので、期待して読んだのがいけなかった。


20代の女刑事が二人出てくるのだが、
それが正反対のタイプでありながら、その極端さ加減が似たり寄ったりで 
                  (現実にはここまで極端なのは、そうそういないだろう)、
2人とも話の冒頭では恋人がいなくて、
移動先に申し合わせたように好みのタイプの独身男性がいて、簡単に恋に落ちて………
というのが恋愛小説ならいいが、警察小説としては、出来すぎていて鼻につく。

  武闘派の素子サンの方は、極端なりにまだしも説得力があるが、
  美咲にいたっては、何の前触れもなく 「好みのタイプ」 というだけで突き進んでいく。
  これだけ惚れっぽい女が、これまで一人でいるというは考えにくいし、
  そもそも、誘拐事件の仕事中で、人の命が係っている職務中に
  いかに好みの相手だろうと 「素敵♪」 はねーだろ……orz
  ファニーな漫画タイプの小説でやってくれるならともかく、
  一人だけこうだと、読者的には 「馬鹿かこいつはっ」 となってしまう。

パトリシア=コーンウェルの 『検視官』 シリーズが秀逸だったのは (すべてとは言わない、初めの数冊)
主人公が魅力的な女であるにもかかわらず、徹底して事件側に小説のウェイトを置いていたためだと思う。
キャラクター紹介や、話の流れができた何作目かで、ケイとウェズリー(だったか?)の恋愛話が入ってくる。
シリーズ小説の運びとして余裕があるから、サイドストーリーとしてのラブストーリーが成り立っていた。

ジウは、第1作としては盛り込み過ぎているように思う。
人物一人一人が書きこまれてもいないし
  (人物紹介として直接的に、優しいとか、気が強いとかの説明メインの記憶が残る)、
ストーリーにも布石が足りない。
彼らを取り巻く、警察の面々も、ここまで性格を単純化することはなかったのではないだろうか?

……と、言うわけで、途中で投げ出さない程度には面白かったけど、続きを読むかどうかわかりません。
評判は良いようなので、私に合わないだけなのかもしれません。


文体は読みやすかったので、
参考にしているレビューサイトで好評な、『ストロベリーナイト』 あたりは探すかも……