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読書録 『予知夢』

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文春文庫 東野圭吾 『予知夢』 読了
『容疑者Xの献身』があまり当たりでなかったので、
   (読書録 http://blogs.yahoo.co.jp/green_zebra_2008/17335129.html )
積みあがったまま放置されていた、ガリレオシリーズです。
この短編集はよかったです。 ガリレオ復活、です(笑) 
                     ↑よく考えたら、出版順は逆ですが。

東野圭吾ほか、本格っぽいものを書く推理小説では、女性が変 (^_^; ……… 
いえ、女性が犯人の場合の犯行動機がなんだかなあ、ということが多いんですが
短編の第一作 『夢想る』 などは、そのわからなさをカバーする謎解きの説得力があるように思いました。

それ以外の短編も、(成功確率がそんな高くない) トリック (?) が使われていますが、
別に犯人が目論んで使っているわけでもなく、偶然起きてしまった不思議な現象を湯川が解明する、
という方向性なので、それほど鼻についたりもしません。
味気なく、あっけないトリックを、
最後の1,2文 (大抵は湯川と草薙の会話)で小説として成り立たせるのは
やっぱりこの人が小説家としてうまいのだろう、と思います。

巻末短編の、 「あのおばさんがね、落ちていくの」
なんていう行は、著者の工学部ならではのロマンチストぶりを感じさせてくれます。


とはいえ 『探偵ガリレオ』 の方が、科学トリックも謎解きもはるかに面白いので
このような作品を連発するのは難しいだろうと思いますが、
探偵ガリレオ>予知夢>容疑者Xの献身 と続いていることを考えると、
質を落とさないでほしいなあ、という気はしますね。

冒頭の関係ないイメージ (だけ) 画像は ギュスターブ=モローの絵画です。