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読書録 『水無月の墓』 『第三水曜日の情事』

 
研究所で実験室の荷物を片づけていたら、文庫本が大量に出てきた。
昔、研究所の近くに古書の買い取り店があって、
出勤途中で読み終わった文庫本をまとめておいては、買い取ってもらっていた。
そのころの名残らしい。読んだ覚えのない本が多々

何でこんなに小池真理子があるん? 私、この人の小説嫌いじゃなかったっけ?
一瞬、本当に私の荷物か? と思いつつ、
でも、貴志祐介にキングのガンスリンガーシリーズに宮部みゆきって、私の趣味だよな~
10年くらい前のものばかりか。
古書店がなくなったのがそのくらいだから、たぶん不思議はない。
 
帰りに読むものもないので、その中から、二冊ほど小池真理子の本をピックアップしてみた。
 
                      
 
                 あら~ 読んだ記憶が全くないんですけどっ
そうは言いつつ、先がわかるのは、以前読んだ時の記憶が深層に潜んでいるからなんだろうか?
記憶に残っていない程度の小説、というのは、読後感がイマイチだったのかもしれないけれど、
新作を読むつもりで楽しめると言えば楽しめる。
どこにでもありそうなストーリーの幽霊話が数作。
いつごろの作品なんだろうか?
少なくとも、最近見かけるパンチの利いたレディース私小説群の中にあると、
中途半端に書き慣れたアマチュアの作品、みたいな気がしてしまう。 
                         直木賞作家に対して、失礼なんだけども。
なぜかamazonのレビューはみんな好評。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4101440131/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1
ああ、でも、10年近く前のレビューなのか。
彼女の後に、彼女を同じ系統・分野でもっとリファインされた作品が出てきているのだとしたら、
スターターの彼女のものは、それなりにインパクトのある小説だったのかな。
 
なお荒削りながら、新潮社のR-18文学賞などでも、この手の作品が大量に読める。
昨年、古い知り合い(笑)が、第何審査かまで突破していたので、審査に残っていた作品を読んでみた。
                                           http://www.shinchosha.co.jp/r18/
マチュアとプロの境目がなくなってきたのか、
時代の流れで、小池作品の良さが消えてしまったのか、悩ましいところである。
 
                     
 
続いてもう一作、角川文庫 小池真理子 『第三水曜日の情事
                        http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4041494079
       ええ......と。 これも読んだ記憶が全くないんですけどっ
すべて横文字の地名と登場人物。10ページ程度のショートショート。 で、これってどこの国? 
地名人名はアメリカっぽいが、皮肉を狙ったオチがJ=アーチャーに酷似しているためイギリスっぽかったり。
キングもホラー風味のショートショートを書いているが、で、不思議なオチや皮肉なオチも多々あるが、
それは和訳されたものであっても、あくまでアメリカを感じされる。
フレドリック=ブラウンのショート推理もそうだ。行間に漂う、得も言われぬアメリカ感。
                                                        http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488146153
          (そうそう、『占星術殺人事件』 他、人体を使ったすり変わりトリックは、
          もっと早くにブラウンの推理物では出てきていたように思う。
          SFに比べて彼の推理物は日本の知名度が低く、それほど読まれていなかったのかな)
所詮、日本在住のアジア人の書いた小説なのか。この微妙な違和感はなんだろう?
金髪の鬘を被った日本語の舞台劇を見ているような違和感が残った。
 
                  

何でこの人の作品が、こんなにあるかなあ、と悩んで、
もしやこれは当時の小銭文庫だったんではないかと、思い当たる。 カバー、JRキオスクだし(笑)
『墓地を見下ろす家』 の、ホラー部分及び被害者たちの得も言われぬ不快感が気に入っていたので、
そんなこんなで、何作か買ったのかなあ、などなど。
 
古い作品は覚えていなくても、私の行動はあまり変わっていないということだろうか?