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読書録 『竜のお話、あれこれ』

  

頂き物の洋書  Shuker,Karl 『Dragons;A National History』を読了。

いや、読了っていうか、
画集みたいな本なので、読んだとは言い難いが(^^;


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表紙こそアニメチックな竜の絵が描かれているが、
まるで「ケルズの書」みたいな色あいの写真
   (.......挿絵ではなく、いろいろな国に古くから伝わる竜の絵画の写真ね)
が多く、堪能いたしました。

  ケルズの書:世界一美しい本だとアイルランド人のいう聖書。
        ダブリン大・トリニティカレッジのロングルームにあるので、
        何ページか(行くたびにページが違う)見ることができました。
        
  ロングルーム:トリニティカレッジの図書館。シンメトリックな書架と高い天井、
         山ほどの古文書が、今も閲覧可能だというのもかっこいい。
         スターウォーズのジェエダイ・アーカイブのモデルとかなんとか揉めてたけど、
         ゼブラのお気に入りスポットの一つです♪

                こんなところ。
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ゼブラの職場は外国人が多かったり、海外からの訪問者が多かったりするのだが、
5月になると鯉のぼりの説明を求められることが多い。

成田空港周辺から職場にかけては、まだ広い土地が多く、
季節になると大きな鯉のぼりが流れているからだ。

そこで「鯉が滝を登って竜になる」話をするのだが、
竜の把握が国によって違う。

大ざっぱに言って、

西洋では竜は火の化身で、火山の中にいて、どっちかというと悪者。
東洋では水との関わり合いが強くて、雨雲や湖にいて、むしろ神様の類。
形も、西洋の竜が直立トカゲなのに対して、東洋では足つきの蛇だ。

ヨーロッパの国の中でも、微妙に違っていたりして、面白いです。
また、この辺の話をだらだらとしていると、妙な英単語をたくさん覚えます♪

なお、私は中学生くらいの時にはじめて狩野派の龍の絵を見て
 (日本画は「龍」の文字を使っていることが多いのでここではあわせます)
   『日本絵画とは、雲、水、空など、透明な空間をつかみ取る絵画である』
...と納得したのだが、
この本では日本画の竜は取り上げられていなかったのが少し残念でした。



竜といえば以前、西洋の竜と東洋の竜に関して、友人に勧められ、高橋克彦『竜の柩』を読んだ。

  竜の柩:龍神伝説を追うために津軽信濃、出雲と列島縦断して調査を進める九鬼虹人たち
     アクト・ナインのメンバー。『古事記』『日本書紀』や風土記に残る寓話や
     神話を読み解く九鬼は、独自の論理的考察で、仮説を実証し真実に辿り着く。
     ....なんてあらすじがyahoo books には出てる。

竜にまつわる伝奇ものの3部作で、日本神話もキリスト教もインドも中国も
世界中の神話や伝記、古代遺跡をたどりながらなぞ解きをしていく話だ。
つまりえらく長いし、ありていにいえば 神=宇宙人なSFになっちゃってるのだが、
キャラはしっかりしているのと、話運びが面白いのとで、何となく最後まで読まされてしまった。
「現存する神話の解釈がしっかりしているので、オカルト本には括りきれない」魅力
……のある本ではあったと思う。(他の作品のほうが好きなので、絶賛はしないが)

もともと、高橋克彦の作品なら、美術史がらみの推理小説が大好きで、
写楽殺人事件」など美術史の面白さだけで、事件も犯人も覚えていないくらいだ。
                              (それで好きだと言えるのか?)
というわけで、高橋克彦の竜は、火にも水にも....である。



さて、フィクションつながりといえるのかどうか、
能の『一角仙人』歌舞伎の『鳴神』も竜と水の話だ。
しかし、これらのもとになっている「今昔物語」に「天竺ニ一人ノ仙人有ケリ」とあるのを見ると
インドでも竜=水なのか?
竜=火と、竜=水の切り替わりは、地図の上でどのあたりなのだろう??

もっとも、火山が爆発したり、空から火の玉(隕石)が降ってきて、
急に地表の温度が上がり、水蒸気が上がったことによって雷雲、長雨、などという話になると、
雨だろうと火山だろうと、そういう自然現象に竜や神様がいて何の不思議もないんですがね。


          と、アニミズムになっちゃったよ(笑)

           
最後に、

昔、赤祖父先生の特別講義でオーロラのビデオを見せていただいた。
流れるオーロラは、美しくて、夜空をうねる竜のように見えた。
いつか、肉眼でオーロラを見たいなあ、と思いつつ、
こんなサイトをしょっちゅう覗いていたりするのに、日々に追われ、いまだ成就していない。


そういえば、オーロラ研に行った友人はどうしただろう、と検索してみたら、
なんだ、帰国して准教になっているじゃないか。 久しぶりにメールでも出そうかな。
というところで。

  赤祖父俊一:米国・フェアバンクスのアラスカ大地球物理研究所所長を務められた
        日本の地球物理学者の方です(笑)
        アカソフという音から、お逢いするまでロシアの方だと思っていました。