読書録 『冷たいジュエリ』

午後から会議なので、半日休むことにした。
日中の移動で仕事をしていない時間があるとはいえ、連日の11時帰宅は辛い。



積ん読文庫本山崩しの中から、読んだ記憶のないエッセイをピックアップして、移動時間に読んでいた。
双葉文庫　岩田裕子　『冷たいジュエリ』
http://books.google.co.jp/books/about/%E5%86%B7%E3%81%9F%E3%81%84%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AA.html?id=Y7YdNwAACAAJ&redir_esc=y

宝石関係の逸話やゴタクを集めたものだが………　　　　　少々薄っぺらい。

面白く読める人もいるのかもしれないけど、ちょっと宝石好きなら知っている逸話ばかりだし、
かと言って、宝石好きでない人がこのエッセイを買うかと言ったら、絶対、手に取らないだろうし。
ターゲッティングが、どうなんだろう、と、ちょっと本（専門書）の編集をやった身としては思った。

また、ロマンチックなのは仕方ないにしても、筆者が自分の文章に酔っているように思える部分があって、
他人の猥雑なイメージが伝わってきてしまうのは、宝石には余計なものの様な気がした。
いっそ、写真集にして、美しい写真を満載にしたり、
宝石商上がりの老人に書いてもらった方が、宝石ゴタクとしては面白いものが出てくるのではないかと思った。

 

 

ナポレオンがジョゼフィーヌに送ったって言うダイヤとトルコ石の王冠で

日本に来ていた時に見に行って、そのあとで宝石屋に行くという

無謀な事をした思い出の宝石（本に載っていたわけではない）

エッセイ風、と銘打って、どこかで骨董屋をやってる爺さんを主人公にしてもいいけどさ。

逆に感情を込めるのなら、宝石屋のパンフレットにワクワクする感じの短編を一つ載せて、
貴方も（このお店の）宝石を欲しくなってください、というのもアリかもしれない。



と言うわけで、ちょっと残念な読後感想。

　　　　　　　　　　　　　　　　………自分は、エッセイを読むのがあまり好きじゃないのかなあ、と　思いつつ。