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内緒の読書録 『粘膜人間』

敬愛する本読みブロガーのしろねこさんの所で、
東西ミステリベスト100 死ぬまで使えるブックガイド
・………の記事を読んで、読書大好き病が再発したのか、つい、乗り換え駅の書店に足を踏み入れてしまう。
 
ミステリベストにでてくるような古い傑作が、その辺の本屋でいつも見当たるとは限らないから、
畢竟、平積みの中から自分の好みの本(新作系)を拾い上げることになる。 
そんな中の一冊。
 

 
角川ホラー文庫 『粘膜人間』 飴村行
 
読書メーターを見るまでもなく、タイトルからしてグッチャングッチャンのスプラッタホラーである。
私は『玩具修理者』 小林泰三が好きで、
彼の作品がOKな人にはお勧め、的なことを、どこかのサイトで読んでいた。
この作者、これがデビュー作らしいが文章はこなれているし、上手に引きこんでくれる、が、
………冒頭数ページで吹きそうになった
 
まず、義母の連れ子(義母はすでに他の男と逃げている)、から受けるDVに悩んでいる時点で 
現代から近未来を想定して読んでいたのに、いきなり防空壕だの脱走兵だのが出てくる………ううう
弟をどうやって殺す? という所で、「河童に殺させよう」…………って
この時点でかなり心配になったのだが。
 
まあ、スプラッタを夢見て読み続けてみた。
 
 
エロティックさとグロテスクさは牧野修山田正紀の方がはるかにディープだし、
拷問シーンも花村満月や新宿鮫あたりの暴力シーンのまき直しっぽい。
村人の醜悪さは柴田 哲孝の『TENGU』に遠く及ばないし
かと言って、キング作品の様な反キリスト的背徳感を味わうものでもない。
グロテスクシーンと暴力シーンだけをダイジェストに切り貼りした様な、AV感漂う小説なのだが、
これで上手くラストをオトとしてくれると、田中啓文小林泰三を読む人達が手に取るかなあ。
 
投げ出しはしなかったけど、私としては今一歩の作品でした。
 

 
実はこれ、耳鼻科の待合室に2時間以上待たされたところで読了しまして、
まだ時間が残っているので、PCに感想を叩きこんでいたわけですが、
今年、早々と花粉症がスタートしたらしい私としては、
粘膜人間が全身花粉にまみれたらかわいそうかな、と、ちょっと想像なんかしてました。
 
 
最近、お料理記事が検索でヒットして訪問してくれる人もいるようで、
そんな方たちの食欲を落としては申し訳ないので、内緒で。
 
 ………そういえば昔、映画のレビューで、
     「ピクニックに行って、花園で腐乱死体を見つけたような作品」 という素晴らしい表現があったなあ。
 
                                          なんとなく思いだしただけです。