ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

読書録 『相対論がプラチナを触媒にする』

岩波科学ライブラリー『相対論がプラチナを触媒にする』 村田好正 …………気付いたら読了@
 
ちなみに。
   相対論:動きが高速に近づくと時間がゆっくりになる、っていう、アインシュタインのあれ。
         プラチナ:金属の一つ。日本語でいうと白金。
              触媒:自分は変化しないくせに、他人同士の反応を促進させるもの。  です。
 
 
ついつい他人に話してみたくなるプラチナの薀蓄(?)が冒頭に入っていて、
理学部以外の学生や、子供に話すのにいいかな、と、思う。
高校生を含む一般向けに書かれた書籍のようで、頑張れば中学生でもイケるかもしれない。
中学生までの理科の知識をモノにしている、あるいは高校まで終えた人ならば、
十分面白く読み切れるのではないかと思う。
 
   モノにしているっていうのは、たとえば2桁の掛け算の筆算を習ったら、
   3桁でも4桁でも同じ理屈だな、っていうことでとけるようになる、くらいの意味だ。
   高校までの理科の授業を覚えていれば、文系の人でも問題はないだろう。
   理学部卒業しちゃってると、面心立方体の(111)面と書けばいいところ、
   いろんな説明や用語になっていて、かえってわかりにく~い。と、思うかもしれない。
 
薀蓄example
  日本人は結婚指輪などでもプラチナが好き。白木の好きなのと関係してるのかな? とか。
 
  白金カイロってのが、昔あったのは、ベンジンやアルコールがプラチナの表面で、
  炎を出さずに緩やかに燃焼するのを利用したものだから、とか。
 
  エンジンから出る有毒ガスは、排気口の前にプラチナの微粒子を塗したフィルターを通すことで、
  一酸化炭素は(プラチナ表面で酸素と結合して)二酸化炭素に、
  炭化水素は、二酸化炭素と水にしてから、大気に放出しているのだ、とか。
 
 
このあたりは第一章に書かれているので、図書館や書店で見かけたら、
第一章「プラチナは環境を救う?」だけでも立ち読みしてはいかがだろうか?
 
なお、2章以降、数式や結晶模型の図がたくさん出てくるが、
これを本気ですべて理解しようとするには、この本だけでは不足なので、
あくまで一般向け、さらっと読んで、大枠をつかむためのものだと思います。
 
縦書きの読み物ですが、理系に興味のある方だったら、面白いかと思います。
 


 
気になっちゃった人へダイジェスト:一酸化炭素二酸化炭素に変える反応
 
   まず一酸化炭素(ガス)がプラチナの表面に吸着すると
   一酸化炭素と結びついたプラチナの配置が変わる。
   酸素(ガス)はプラチナ表面に乖離吸着して、二つの酸素原子になっている。
   酸素原子と、一酸化炭素が反応して、二酸化炭素になる。
   プラチナは、吸着や反応を促進させるような配置(表面構造)になっているわけだ。
   で、反応後の二酸化炭素を放出するとプラチナの配置は元に戻る。
   だからまた使える。 <<こういうのを触媒という。
 
   相対論的な効果は、電子の動くスピードと、それによる再配列(プラチナの位置の変化)のしやすさ、
   を論じるところで出てくる。
   それらの動くタイミングが、触媒作用にちょうどいいのがプラチナってことらしい。
   
          ちゃんと読んだつもりだけど、一言で説明するのはやっぱり無理か。
 

なお、書籍情報を探すついでに他の人のレビューを読むとはなく読んでいたら、
「それでも、ここの理由が分かんな~い」というのがあって、
「それって研究段階、というか、研究者もわかってないんだよね」、と、コメントを返したくなるものがありました。
 
         うん、最先端って、すぐそこにあるんだよ