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読書録 『ヘッドライン』

久々の、電車内読書。
この前電車で読んでいた本が Mittalの Contact Angle, Wettability and Adheision だから、
小説を読めるようになったなんて、ずいぶんな進歩だ。
それが現実逃避だとしても。

集英社文庫 『ヘッドライン』 今野敏 読了。 ←書名をクリックするとamazonに飛びます。

今野敏はとても好きな作家なのだが、
彼の古い作品は(面白いとはいうものの)文章や構成が古いので、
新しい作品であることを確認してから、購入する。
隠蔽捜査までは行かなくても、2010年代初版なら、まあ、大丈夫だろう。

とはいえ、読み始めてすぐに「ダサっ」と、思う

冒頭のセリフから始まって、話が転がる様子、
登場人物の笑いを誘うような行動でのパラグラフ転換、
中国系ハリウッド映画的(要は全盛期のジャッキーチェン)な行動パターン、
「同人誌的だよな~」と思うのは、この手の文章が流行ったのが15~20年くらい前で、
当時、アマチュアの文章もたくさん読んでいた時期だからかもしれない。

しかし、なんというのかな、この作品に関しては、その文体の垢ぬけなさや、ダサさがいいのだ。
主人公の布施はジャーナリストで、典型的な"一昔前の"テレビマンである。
「24時間戦えますか?」なやつじゃなくて、
「自由にかっこよく楽しく生きてるけど、仕事だって出来ます」的な。

ちなみに、うまくいけば、キースピータースンのジョン・ウェルズみたいになるんじゃないかと思ったのだが、
(私の好みの問題なのか)そこまでの魅力はなかった気がする。
ジョン・ウェルズというのは、自由にかっこよく24時間戦っちゃう新聞記者のシリーズだ。


頭脳明晰で「建前と本心が一致している」風のキャラが、どことなく竜崎(隠蔽捜査)にも似ている。
竜崎と違うのは、その性格がちゃんと仲間に認められて、好かれている点だ。
いやいや、竜崎の性格だって、シリーズの次作以降ではちゃんと市民権(?)を得ていたわけなんだが。
あ……これって、このシリーズの第2弾なんですな。
予定調和的な言い回しが少し鼻についたのと、いろんな登場人物のイメージがつかみやすいのに、
主人公の布施だけ、年齢も容姿もわからないのはわざとなのだろうか、と悩んでいたのだが、
そうか、2作目だったからなのか、と、納得。

サクサク読めるし、そんな都合よくいくかよな部分はあるものの
ついでに、竜崎シリーズの方が面白いのは確実なのだが、
カラー戦隊シリーズと、竜崎シリーズのちょうど間くらいで、
安心して読み進めます…………

というわけで、帰りにしなに、駅構内の本屋で一作めの『スクープ』を購入。

第一章の一行目を読んで、「ダサっ」 と、思う

それにしても、布施、って若者だったのか
これも結構楽しそうだ。

あら、隠蔽捜査の4、と5が出ているんですね。 これも買わねばっ
しろねこさんがいないと、面白い本情報に疎くなっちゃうなあ……