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読書録  『スクープ』

集英社文庫 『スクープ』 今野敏 読了

というわけで、★★★★★ホテルで風呂読書。
この間読んだ『ヘッドライン』と同じシリーズ(同じメンバー)の小説だが、
元の題名の『スクープですよ!』のほうが、雰囲気に合ってるんじゃないかという軽~い作品。

布施は若者だったのか~ 細身でよくモテるタイプだったのか~
持田も邪魔なだけのキャラじゃなかったのね、
とか何とか、シリーズ的なことは分かったが、この本を先に読んだら続きは購入しなかったろうな。
短編集なので、短編の数だけ布施はスクープを抜くのだが、
残念ながら一つ一つのスクープが偶然に頼っているように読めてしまい、
ジョン・ウェルズシリーズみたいな面白さには程遠かった。

いや、先に読んだ『ヘッドライン』はそれなりに良かったんだけど。

なお、漫画にPS羅生門ろいうのがあって、その中に黒田っていう刑事が出てきた。
同じ苗字の共通点と言い、性格の類似性と言い、
もうね、『スクープ』の黒田刑事は、羅生門のあの顔でしか出てこない


今回あらためて気づいたのだが、今野敏は若者は子供(高校生)を描くのは苦手と見た。
悪い子を書いても、よい子を書いてもなんとなく現実感がない。

たとえばいくら若くて学生みたいに見える社会人がいても、
それは社会人の目から見て“高校生みたい”に見えるだけで、
現実の普通の大学生や高校生が、彼らを取り違えることはほとんどない気がする。
少なくとも、作者は現役の高校生や大学生の頃に、
若者に近づいてこようとする大人に接したことはないのではないか、と、思った。

うん、格闘技関連の小説のリアリティに比べて、少し遊んでる系の学生の描き方は、
かなりずさんな感じなんだよなぁ……

そんな作品が最後だったから、なおさら読了感がよくないのかも。