読書録 『鍵のかかった部屋』
角川文庫 『鍵のかかった部屋』 貴志祐介 真面目に読了。
. 元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。
. ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。
. だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、
. これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。
. (Book データベースより)
密室探偵(あるいは泥棒探偵?)の榎本シリーズは、
専門知識の満載さで真保祐一作品だと誤解した『硝子のハンマー』 も、
横溝正史風の 『狐火の家』も良かったのだが、
(特に硝子のハンマーの青砥純子弁護士は、リアリティのある女性でとてもよかった)
ところが、読み切りの 『雀蜂』が、あまりにもあんまりだったので、
一緒に購入した『鍵のかかった部屋』 までとばっちりを受けて、本棚に放置状態になっていた。
ちなみに、このシリーズはテレビドラマにもなっていて、
榎本役が私のイメージしていた姿と合わな過ぎて、ひとシーン眺めただけでチャンネルを変えてしまった。
. 榎本は、ええええと、誰がいいんだろう?
. ちょっと若いころの岡田准一なら、榎本に似合いそうな気がするんだが……
. いや、岡田君は実際の年齢よりもずっと老けた役の方が似合いそうかな。
. ビッグコミックオリジナルで、ゆうきまさみが 『白暮のクロニクル』 というのを連載していて、
. 元々、すごくテレビ向きの感じの漫画なのだが、
. ここに出てくる90歳の若者(雪村)と、22歳の長身のお姉ちゃんが、
. 映画『図書館戦争』の二人とちょうどダブルイメージで、岡田君が雪村役なのだ。
さて、小説の感想は………
これって、ガリレオ?
東野圭吾のガリレオよりも、はるかにガリレオっぽい謎解きばかりだ。
元々、東野圭吾(の出身)が工学だからなのか、湯川先生は物理学者だと言いながら、
古典力学と電磁気学で解くものがほとんどだ。
ボードに数式を書いているが、ほとんど数式は必要ない。
また、化学っぽい謎解きも、(物理の中には)化学物理という分野があるにもかかわらず、
何やらぶっ飛んで化学化学(←バケバケ)していて、部外者(?)っぽい。
なんで統計学や、熱力学ネタがないかなあ……と、思っていたのだが、
榎本、やるじゃん。
知識を学者っぽく(実際、頭がいいだけの泥棒だし)ひけらかさないのも、かえって好感が持てる気がする。
単に目立ちたくて、人を集めて謎解きをしている感じだし。
ちょっと残念なのは、浮ついた賑やかしでも、探偵を引き立てるバカ役でも、
かといって、現実味がないほどのやり手の女弁護士でもない、等身大の女性である青砥弁護士が、
このシリーズの第一作がヒットした理由だと思うのだが、
シリーズが進めば進むほど、賑やかし役、バカ役に回ってしまって、
普通の推理小説に成り下がってしまった…………
そうそう、青の炎の時から、貴志祐介は、推理小説家としては珍しいくらい、
人間を書き込むのがうまいな、とは、思ってたんだ。
そういうわけで、ものすごくお勧めではないけど、おもしろかったです。
. 元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。
. ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。
. だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、
. これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。
. (Book データベースより)
密室探偵(あるいは泥棒探偵?)の榎本シリーズは、
専門知識の満載さで真保祐一作品だと誤解した『硝子のハンマー』 も、
横溝正史風の 『狐火の家』も良かったのだが、
(特に硝子のハンマーの青砥純子弁護士は、リアリティのある女性でとてもよかった)
ところが、読み切りの 『雀蜂』が、あまりにもあんまりだったので、
一緒に購入した『鍵のかかった部屋』 までとばっちりを受けて、本棚に放置状態になっていた。
ちなみに、このシリーズはテレビドラマにもなっていて、
榎本役が私のイメージしていた姿と合わな過ぎて、ひとシーン眺めただけでチャンネルを変えてしまった。
. 榎本は、ええええと、誰がいいんだろう?
. ちょっと若いころの岡田准一なら、榎本に似合いそうな気がするんだが……
. いや、岡田君は実際の年齢よりもずっと老けた役の方が似合いそうかな。
. ビッグコミックオリジナルで、ゆうきまさみが 『白暮のクロニクル』 というのを連載していて、
. 元々、すごくテレビ向きの感じの漫画なのだが、
. ここに出てくる90歳の若者(雪村)と、22歳の長身のお姉ちゃんが、
. 映画『図書館戦争』の二人とちょうどダブルイメージで、岡田君が雪村役なのだ。
さて、小説の感想は………
これって、ガリレオ?
東野圭吾のガリレオよりも、はるかにガリレオっぽい謎解きばかりだ。
元々、東野圭吾(の出身)が工学だからなのか、湯川先生は物理学者だと言いながら、
古典力学と電磁気学で解くものがほとんどだ。
ボードに数式を書いているが、ほとんど数式は必要ない。
また、化学っぽい謎解きも、(物理の中には)化学物理という分野があるにもかかわらず、
何やらぶっ飛んで化学化学(←バケバケ)していて、部外者(?)っぽい。
なんで統計学や、熱力学ネタがないかなあ……と、思っていたのだが、
榎本、やるじゃん。
知識を学者っぽく(実際、頭がいいだけの泥棒だし)ひけらかさないのも、かえって好感が持てる気がする。
単に目立ちたくて、人を集めて謎解きをしている感じだし。
ちょっと残念なのは、浮ついた賑やかしでも、探偵を引き立てるバカ役でも、
かといって、現実味がないほどのやり手の女弁護士でもない、等身大の女性である青砥弁護士が、
このシリーズの第一作がヒットした理由だと思うのだが、
シリーズが進めば進むほど、賑やかし役、バカ役に回ってしまって、
普通の推理小説に成り下がってしまった…………
そうそう、青の炎の時から、貴志祐介は、推理小説家としては珍しいくらい、
人間を書き込むのがうまいな、とは、思ってたんだ。
そういうわけで、ものすごくお勧めではないけど、おもしろかったです。