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読書録 『憑きびと』

徳間文庫という名の小銭文庫 『憑きびと』 読楽文庫編集部編 読了。
アンソロジーを読むのは久しぶりだ。
私はいつも通勤途中の電車の中で小説を読むので、
乗り換えの多い時期には、角川のアンソロジーを大量に読んでいたこともあったのだが、
いつの間にか長編も読めるようになった。
引きの強い長編なら良いが、興味の薄い小説を(乗換えなどで)中断すると、
前に読んだ所を忘れてしまって、読み直しにえらく時間がかかるためだ。
たぶん今もそれは変わっていないだろうと思う。読む(長編)本を厳選せいているに過ぎない。

さて、そういうわけで久しぶりに手に取った短編集。

『いっしょだから』 そんなに怖くはないが、映画的。足元に穴が開いて落ち込んでいくイメージがリアル。
      もう少しひねるとそのままドラマにできるんじゃないかなあ。と。

『お正月奇談』 妖怪ものというか、ちょっと不思議な田舎の話。
      あまりにベタではっきりしすぎ、あからさま過ぎて信じてもらえないだろう、と主人公が考えるのが
      逆にリアリティをもたらすのが面白い。 ちょっと好きな作品かも。    

『クライクライ』 これの怖さというか、気持ち悪さがわからなかった いわくつきの家族ものは苦手だ。

夜の来訪者 典型的な異形ホラーだとも思うが、いろんなものが中途半端な気がする。
      ただ、クリーチャーのビジュアルはとてもいい感じ。伊藤潤二の漫画にありそうだ。
      
『ひらひらくるくる』 何がどーなっているのか話としてはわかるのだが、だからどーした?と、意味不明。
      不倫ものに拒絶反応があるわけではないので、作風が合わないのだと思う。

『D-0』 これってホラーなのか? と思うが、バイオレンス小説のサイドストーリーみたいで、ちょっと気になった。
      本編があるのなら読んでみたい。

『にんげんじゃないもん』 SFっぽいし、ある意味ありがちな話だとも思うし、ほのぼのする面もあるのだが、
      一人の脇役に全部言葉で話させてしまうのが残念だし、ラストも何がしたかったのかな、と。


金返せ的に悪かったわけではないが、
それぞれがホラー賞や何らかの受賞者の割には、全体としてはいまいちかな。


@移動中  
昨日、一昨日と、娘の引越しで無理をしたせいか、風邪が悪化しているっぽい……