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読書録 『憑物』『陰陽』

柴田哲孝の小説を求めて書店に入ったのだが、そういえば彼は寡作なんだった。
そう簡単に見つかるもんでもない。
目に留まった今野敏を購入してしまう。
柴田作品とは正反対で、この人、ドンだけ書いてるんだか。



と言うわけで、まずは中公文庫 今野敏 『憑物 祓師 鬼龍光一』 読了。

   渋谷のクラブで十五人もの惨殺死体が発見された。
   客や店員が死ぬまで斬りつけ合ったというのだ。
   やがて都内の各所で同様の事件が起き、その現場には必ず不気味な六芒星が残されていた。
   捜査を進める富野は、再び鬼龍光一に協力を求める。
   はたして祓師と刑事の名コンビは未曾有の殺人事件を解決できるのか?
   警察、伝奇、アクション、すべての要素が詰まった傑作シリーズ第二弾。
                                         (Bookデータベースより煽り文句)


柴田作品を読んだ後だと、「軽っ」 と、思う。
お祓い師という職業も、白づくめの祓師と、黒づくめの祓師、と、
彼らに匹敵する選ばれし血筋だけれど、それに気づかないまま暮らしている刑事と、
という設定自体、ジュブナイルと言っても過言ではない。
とはいえ、よく作ってあって、楽しく読んだ。 (途中で犯人がわかっちゃったけど)



なお、このシリーズ作品は昔一度読んでいたようだ。
新幹線&兼六園のブックカバーシリーズ(←勝手に命名)のときで、角川文庫 『鬼龍』 今野敏 読了。
っていうのがある。
このときは、自衛隊所有のメカゴジラ 【機龍】 しか思い浮かばなかったようだ



さて、今回購入した憑物がシリーズ作第2弾だったこと、通勤の片道で読み終わってしまったこと、
そこそこ面白かったことから、帰りにこのシリーズの第一弾を購入する。
出版社は違うが、まあいい。

角川文庫 今野敏 『陰陽 鬼龍光一シリーズ』 も読了
―――通勤片道で読めちゃうんだよな、やっぱり。

と言うか、これは以前購入しようかどうしようか悩んで、買わなかったやつだ、と気づく。
ヒロイックファンタジーや、この手の伝奇ものが、私はそれほど好きではないのだ。
でも、無差別スプラッタホラー映画が大好きなので、時々、この手の小説も購入してしまう。
                    (でもって、ストロベリーナイトみたいな作品に、残念な気持ちになるのだ)

   若い女性を狙った凄惨な連続殺人事件が都内各所で発生した。
   捜査に駆り出された警視庁生活安全部の富野輝彦は、現場にあらわれた黒ずくめの男に気づく。
   男は鬼龍光一と名乗り、「お祓い師」をしていると言う。不審な鬼龍を警戒する富野。
   さらに事件の容疑者が逮捕されたものの、鬼龍は事件が『警察の手には負えない』ものだと言う。
   そして、彼の言葉通りに、新たな事件が発生して…。異色コンビが、不可解な事件の真相に迫る!
                                           (Bookデータベースより煽り文句)


第2弾から読んじゃった私が言うのもなんだが、第一弾のほうが評判はいいのはなぜなのか。
キャラクターが魅力なのかなあ、そうすると、出会いがしらのほうが面白く思える。
私は第2弾から読んだので、第1弾の犯人も人間関係もわかりやすく、シンプルに思えた。

昔の今野敏は、こういう伝奇ものが結構多かったのだろう、
また、他の作品で高校生大学生の書き方が甘いな、と思っていたのだが、
この作品では、若者の軽い部分、強い部分、それでも暖かい部分がうまく描かれていて、
セクシャルバイオレンス小説であるにもかかわらず、やっぱり色気のない今野作品だな、と、納得した。

双方とも面白かったです。

気軽に読みたい人に、お勧め。