ブログ引越し検討中 (仮住まい)

yahooブログからの引越しを検討中です。現在テスト使用中。

読書録 『MAMONO』

本日正午締め切りの書類を送りつけた(←電子ファイル)ので、帰宅途中は中断していた本を読んだ。

徳間文庫 柴田哲孝 『MAMONO』 読了。

     ヒグマを追う猟犬、引退した刑事になついた奇妙なカラス、拾われた白い猫――。
     その秘めた力が今、解き放たれる。
     その時、人間は!?
     一方、百年前から建つ東北の民家では不思議な出来事が。
     都市部でも乳児が次々と消える怪事件が起きる。
     ミステリー、ホラー、怪談など多彩な七篇を収録した短篇集。  (amazonよりあらすじ)



UMAものを書かせたら、第一人者の柴田哲孝である。
ヒグマもカラスもUMAではないけど。

全体的に少し軽かったけれど、面白かったかな。
もともとUMAを書く人なので、昆虫物犬物を書く西村寿行なんかより、ずっとずっと荒唐無稽だ。

短編集だったので、それぞれに一言感想を。
【白い猫】は、『黄昏の光と影』 に出てきた、あの作中作の舞台とリンクしているんだと思う。
【カラスは何を見たのか】 この話、好きかも。職場でカラスをかわいがっていた人を知っているからかもしれない。
神隠し】 すぐにオチがわかったけど、『KAPPA』 や 『RYU』 に一番近い作品だと思う。
【人間狩り】 可もなく不可もなく。
【賢者のもてなし】 ハッピーエンドなんだけど、あまり好きじゃないな、これ。
【座敷童】 彼の作品に時々出てくる、この柔らかさが好き。
【魔霧】 これも好きかな。ジャーナリスト目線も入っているので、もっと長くも懸けるのではないかと思う。
     魔霧は、映画になっても悪くないと思う。マキリのキャスティングが難しいか―――


で。

全体的に面白かったのだけど、何が一番柴田作品っぽかったか、って、
座敷童の骨が出た  というくだりかと思う。
うん、座敷童って、もしかするとそういう存在だったのかもしれないね。