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読書録 『ちょいな人々』

文春文庫 荻原浩 『ちょいな人々』 読了。

『押入れのチヨ』を読んだとき、この作家をちょっといいな、と、思った。
ホラーや超常現象加減と人間のやさしさの描きわけが、甘すぎず、好みだった。

『ちょいな人々』にはホラーテイストはなくて、
人の心の中のちょっとした矛盾や、悪意、善意をうまく引き出した小説を集めてある。

短編集なので、それぞれ一行感想。

ちょいな人々 :
ちゃっかりしたOLの話。不快な面もあるが、批判も肯定もしない主人公のスタンスは悪くない。

ガーデンウォーズ :
ご近所トラブルの話。勝手にやってくれ。

占い師の悪運 :
占い師の裏事情などわかってちょっと面白い。話も軽くておもしろかった。

いじめ電話相談室 :
これもいい。いじめ相談にはこの選択肢も必要だと思う。

犬猫語完全翻訳機 :
まあ、そんなもんだろ。犬だし、猫だし、動物だし。

正直メール :
ん~ そればかりではないと思うが、ラストはちゃんと収めていて、さすが荻原作品。

くたばれ、タイガース :
野球狂いの婚約者と父親の習性に笑った。どこのファンでも野球ファンは野球ファン。


そういうわけで、全作品とも軽かったけど、面白かったです。