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読書録『ダブル・フォールト』


人殺しの弁護は、正義なのか? 恩人を刺し殺したと自首してきた男。彼は人望ある工場経営者。
新米弁護士・本條務は、被告人の弁護を任される。
減刑を勝ち取るため、務は被害者の旧悪を調べ上げ、法廷で次々と暴く―。
「もうやめてっ!」被害者の娘・香菜が叫んだ。務は悩みながらも、事件の真相を探ると予想外な展開が…。
人間の陰影を鋭く切り取り、読む者の倫理観を問う、長編ミステリー。 (BOOK データベースより)


真保裕一の文章は読みやすいし
マニアックな情報が無理なくふんだんに詰め込まれていて面白いのだが、
頭の悪いやつや機転の利かない奴を描けないために
主人公がワンパターンになるのが欠点―――と思っていた。

読み始めてしばらくして、 「お~、この主人公、弁護士だけど馬鹿じゃん」 と、嬉しかった。

ただ、例によって女性キャラに無理があるので、感情移入できないし、
途中から(本来の真保キャラなら覚醒するあたりで)、主人公の馬鹿レベルが上がって不快感しかなくなるし、
弁護士事務所のボスキャラ高階はいいんだけど、変なところで、「明らかに布石っぽい」会話をさせるから、
ラストのどんでん返し(?)が、推測できちゃうし。
         。oO ((主人公の馬鹿キープをしたのは、高階を賢い人担当にしたからかなあ))
         
法廷シーンにも緊張感があって、どこぞのTVドラマみたいに、「嘘だろ」、というのはないんだが、
「嘘だろ」=「演出」でもあるので、どこぞのTVドラマみたいな荒唐無稽な盛り上がりがない。

昔の真保作品群に比較すると、もう一声、練りこまれていないような気がする。

     結論: 真保作品の主人公をお馬鹿さんにすると、2流ドラマっぽくなる

でね、小説を読むのには2時間以上かかったから、
内容が希薄で時間を無駄にしたような気になってしまうんだよ……


あ、そうだ。 
タイトルがとってつけたようなかんじになってしまってた。
テニス話を無理に会話に入れたところで、「何?」。
学生時代の友人の風間だって、何のためにこの小説に出てくるのかわからなかった。

読みやすくって、さくさく読んだだけに、ザンネンだったわぁ。