読書録 『夏と花火と私の死体』
2000年の初版なので、そのころ購入してちょっと読んで放置していたものだと思う。
思えばこの著者がデビューした時、自分よりひとまわり以上若くて驚いたものだが、
今となっては年下の小説家など山ほどいるわけで....
今となっては年下の小説家など山ほどいるわけで....
年とったよなあ ............orz
まあ、それはそれとして、感想。
「最後に、踏み台にしていた大きな石の上に背中から落ちて、わたしは死んだ。」
といいつつ、
「……体中の穴から赤黒い血が流れ出し…(中略)…そんな顔を健くんに見られると思うと悲しくなってきた。」
といいつつ、
「……体中の穴から赤黒い血が流れ出し…(中略)…そんな顔を健くんに見られると思うと悲しくなってきた。」
なんというか、すっごく、変.... (^^;
(舞台がトトロみたいな牧歌的な田舎で、
五月(サツキ)っていうのよ、主人公ww)
#勢いで拾ったトトロ画像 ⇒
健くんは友達の弥生ちゃんのお兄ちゃん。
弥生ちゃんに突き飛ばされたせいなんだけど、
まあ、その辺はお話しの上では些細なことで。
全く同じ、ふつ~な調子の記述が続くので、
楽しいというか......違和感爆発(笑)
ネタは「死んでる人が主格」なだけである。
違和感や特殊性の元にすりかわる。
普通であれば普通であるほどおかしい。
死んでいるからこそ、布団の下に埋められてても、
他の場所に置き去りにされてても、
関係者の行動がしっかりわかるし。
幽体離脱といえばいいのか....
いや、本人死んでるから離脱してて当たり前か?
手にとっても読了しなかった理由もなんとなく思い出した。
実は死んで腐りつつある幽霊状態の記述であろうが、それはそれで疑いなく子供の感性として書かれている。
そんな中で、19歳のオトナである緑さんがさりげなく振りまいている腐臭は、限りなく目立つ。
それだけれも着眼に値するのに、緑さんの職場はアイスクリーム工場である。
いくらなんでも見え見えすぎ~ (T-T)
そっちもこいつが犯人かのぉ?
というわけで、推理モノとしてはめっちゃシンプルだったのです。
ぱらっと最後捲ったら、そのとおりになってたので、本棚の藻屑となっていたわけですね。
そのおかげで、ちょっと面白いものも読めたのだが......というわけで、同文庫に収録の『優子』に続きます。