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地球環境のセミナーを聞いてきました。その1

ちょこちょこ出向いている根津神社(&病院)からも近いという事で、
山上会館で行われたセミナーを聞いてきました。
 
統計を取ったわけではないので、一概には言えないのかもしれませんが、
「地球環境問題」を論じる方たちの名前を検索すると、炎上しているページを多くあります。
炎上の根本的な理由は、
一方向から見ると非常に優れている対策が、裏から見るととんでもない環境破壊をしていたりするからでしょう。
エアコン不要の素晴らしいエコハウスを作るために、山ほど森林伐採してしまったら、元も子もないわけで。
                                         <付記の部分に意見を書いてあります>
 
セミナーは、複数の講師が話をしてくれたので、それぞれがうまく裏表になっていて、おもしろかったです。
まず、一人目のセミナーの感想などを書きます。
マーク部分は、セミナー講師とは独立の私の意見です)
 

 
『地球の破綻――人類は何で苦境に陥るか?――』   
講師 製品評価技術基盤機構 安井至博士
 
http://lebenbaum.art.coocan.jp/PPT/index.html  講義資料を誰もが見えるようにしてくださってます。
 
破綻の一つの傾向として、資源の枯渇の話がありました。
太平洋南部のナウル共和国は、肥料資源であるグアノという化石で、かつて世界で最も高い生活水準を享受し、
税金は無し、医療・教育・電気代は無料、全年齢層に対する年金の支給など、
手厚い社会福祉を提供し、労働者はすべて外国人、食事はすべて外食、だった。
しかし1989年あたりでグアノの枯渇が始まり、、21世紀にはほぼ完全に枯渇(残り2000万トンという話も)。
現在失業率90%だが、国民は何もしないで給与をもらうことに慣れてしまっていて、労働の意志がない。
資源量が限られているとわかってい、現在のブルネイやドバイも同じではないのか?
 
    暖かな日々がずっと続くと思っていたキリギリスと、蟻の話をなんとなく思い出しました。
 
もう一つは、地球温暖化を上げていました。
二酸化炭素の排出量と、地球温暖化の関係性がグラフ化されていて、
何パーセント削減すれば〇〇年後に何度上昇、と、(シミュレーションではあるものの)
甘い見込みの計算、厳しい見込みの計算をそれぞれ出して、幅を持って対処を考えていく様子は、
さすが失敗が許されない環境予測の研究者だな、と思いました。
 
    現排出量をちょっとだけ減らして維持していれば、温暖化が止まる、と言うわけではない。
      温暖化を2度以下(2050までに?)に収めるには、
      二酸化炭素を出さないだけでなく、減らすことをしなければならない、と。
      言われてみればそうなんですが、
      その辺の危機感が、政治家に正しく伝わっているのかな、と、不安に思いました。 
 
地球温暖化で何が悪いかと言うと、(確かに恐竜時代は今より気温が高かったかもしれないけど)
本来数十万年規模で変わる地表の平均気温を、急激に変えてしまっていることでしょう。
 
    人間たちが1,2度の気温上昇に対して、それを我慢して受け入れたり、
      それぞれの民族(?)が1,2度涼しい場所に移住するのではなく、
      エアコン等対抗することでも、さらなる温暖化を加速させたんだろうな、と、思いました。
      温暖化しているとはいえ、東京の住人が仙台に行けば過ごしやすいと感じるのだから、
      暑いのが我慢できないのなら、遷都などで住む場所を変えるというのも一つの対策だよな~、と。
 
生物種の寿命は、平均で100万年程度だという事なので、(現人類はあと80万年か)
それまでは、何をしても絶滅させるのは難しいと言われています。
にもかかわらず、その場を動けない植物は、急激な温暖化で、2,3度温度が上昇すると絶滅してしまいます。
絶滅したら、復活はしません。ミツバチが異常行動を起こすのは、その前兆かもしれないです。
復活しない事象を起こすのはよくないので、地球温暖化は阻止すべき事柄なんでしょうね。
 
さて、農業は自然破壊の最たるもの、という話がありました。
 
統計によると、アフリカやアジアの平均出生率は1970年ごろまで5人を超えてます。
1970以前はそれ以上に生まれているけれど、人口増加にはつながらなっていません。
 
生まれた子供たちが、みんな育って人口増加に拍車をかけた理由として、
単位面積当たりの穀物収穫量が、1950年あたりから急激に増えたからと言うのがあるようです。
それまでは、人口が増えすぎれば(他の動物と同様に)餓死していたのが、
食料が供給できるから増えた、という事のようです。
 
      その農業のための肥料確保で、ナウル共和国みたいな話が出てくるわけですか……
 
また、温暖化による海水位の上昇という問題もあります。
東京都下ではなく、東京都「水面」下みたいな住所を作りたくなければ、温暖化に関しては
もう少し意識を高く持たなければならなさそうです。
 
遺伝子組み換え食品のリスクに関する質問がありました。その答えは、以下のもののようです。
 
・遺伝子組み換えによって、望む変化をさせているのだが、望まない変化まで移ってしまうことが予測できる。
 害虫駆除農薬や干ばつに強い植物が、過剰に蔓延して減らしたい時に、制御する方法がない、など。
・遺伝子組み換えで人体に毒性があることは絶対になく、自然発生した新種の野菜の方がよほど危ない。
・遺伝子組み換えの種子や苗は、一社独占で高価なため、農業従事者にとって良くないかも。
・遺伝子組み換え植物が、蔓延してしまって、多様性がなくなった結果、食料品不足に陥る可能性はある。
 
ほ~、と、思いながら聞いてましたが、この辺も反対派で専門家の研究者にも、聞いてみたいところです。
 


 
 の付記>
 
研究者の研究は、今、困っている何かに対して、他の手はないか、と、他の手段を模索したり、
全く新しい別の発見をするべく、探し物をしたりするものかと思います。
良い手段だけれど、こういうマイナス点がある、という状態でも、正直に論文を書いて研究発表を行えば、
他の分野の人が、そのマイナス点を回避する手段を知っているかもしれないからです。
自分が専門家ではない、他の分野を聞きかじって、諦めてしまっていた研究が、
数年遅れで、「なんでその時発表してくれなかったの」 と、残念がられることもあります。
 
だから、すぐに使える状態のものでなくても、発表したり、主張したりすることを求められ、
それに慣れているのかと思います。
少なくとも、理学系ではそうですし、私の周りの研究者はそうです。
 
その一方で、医学系の研究者や、環境問題を論じる研究者が、それに合わせられないのもわかります。
一般の人々やマスコミからの関心が高く、しかも、彼らは研究者ではないため、
書かれていることを盲目的に信用してしまったり、盲目的に否定してしまったり、
あるいは、(安井先生の言うように) 確率論的なリスクを嫌い、リスクゼロを求める傾向があるからです。
そのような人たちに見張られた状態では、理学研究者の方な発表の仕方ができません。
 
そして、雌込や一般の人たちの考え方が、研究者への逆輸入と言うか、考え方が移ってしまうからなのか、
あるいは自分の研究発表を攻撃されたくない一心からなのか、
自分は専門家ではないはずの他の分野からの助言を否定するようになってしまうこともあります。
 
     「別の面からみると、こういう事実があるのですが、それに関してはどう考えますか?」
 
という質問に対して、考える前に、事実を否定したり、その質問をした研究者を攻撃してしまったりするのです。
これは理学研究者としては、(中継中のパネルインタビューでもなければ)あってはいけない態度です。
質問者の方も、
 
     「この分野のこういう報告も知らないのか、あんたの主張は間違ってるんだ」
 
と言う聞き方になってる場合が多々あるので、売り言葉vs買い言葉の状態かもしれませんが。
必要なのは、最も良い方法にたどり着くことで、そのための情報を持ち寄ることのはずなのに、嘆かわしいなあ、
と、研究者同士が不毛に炎上させているページを見るにつけ、感じます。
 
            (セミナー記事は、私個人の備忘録のためです。文責はゼブラにありますが、
             二次配布する場合には、オリジナルの研究者のサイトを参考になさってください)